東野圭吾 著 『ラプラスの魔女』って どんな本? ラプラスの魔女 シリーズ 1作目!

東野圭吾『ラプラスの魔女』 小説

『ラプラスの魔女』は、東野圭吾が作家デビュー30周年記念として書き下ろした長編小説です。2015年5月15日に角川書店(KADOKAWA)より単行本が刊行されました。著者自身が「これまでの自分の小説をぶっ壊してみたかった」と語るように、新たな挑戦が詰まった作品です。発売から1か月で28万部を突破し、多くの読者から注目を集めました。2017年には実写映画化が発表され、翌2018年5月に全国公開。2018年2月には角川文庫版も発売され、多くの読者に親しまれています。

本作は、硫化水素中毒による死亡事故が立て続けに起きる中、その原因を調査する地球化学研究者と、謎の少女との出会いを軸に進むサスペンスです。科学的知見とミステリー、そして人間ドラマが巧妙に織り交ぜられ、さらに「ラプラスの悪魔」というテーマが重要な要素として物語に深みを与えています。科学と超常現象が交錯する中で、隠された真実が次第に明らかになっていきます。

東野圭吾『ラプラスの魔女』

『ラプラスの魔女』

(角川文庫)

2015年 5月 発売

地方の温泉地・赤熊温泉で硫化水素中毒による死亡事故が発生。亡くなったのは映像プロデューサーの水城義郎で、妻の千佐都とともに滞在中に悲劇に見舞われた。地元警察から依頼を受けた地球化学の研究者・青江修介は現地を訪れ、専門家として事故調査に協力する。硫化水素ガスによる事故死は環境条件が整えば自然に発生するものであり、事件性はないと判断されるが、青江は現場で不思議な雰囲気を持つ少女・羽原円華と出会う。

その後、別の温泉地・苫手温泉でも同様の硫化水素中毒事故が発生。調査のため再び現地を訪れた青江は、またも円華と遭遇する。円華は行方不明の青年・甘粕謙人を探しており、彼女の目的や行動に謎が多い。さらに、円華が発揮する驚異的な能力は、科学では説明のつかない「ラプラスの悪魔」と呼ばれるほどのものであった。

一方、刑事の中岡は水城義郎の死に疑念を抱き、単なる事故ではなく事件として調査を進める。やがて過去の一家惨殺事件がこの硫化水素事故と関連していることが判明。謙人は父親である映画監督・甘粕才生に殺害されかけ、植物状態となった過去があった。その後、円華の父・羽原教授による脳手術で回復し、超人的な能力を持つようになった謙人は、父親への復讐を計画していた。

廃墟で父子の対決が行われる中、円華は命がけでその場を救おうとする。謙人の暴走を止めるため奔走する円華と青江。果たして硫化水素中毒事故の真相と、円華や謙人の背負う過去に秘められた真実とは何なのか。すべてが明らかになったとき、人々の運命は大きく変わる。

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