『魔球』とは
『魔球』は、東野圭吾による推理小説で、第30回江戸川乱歩賞の最終候補作となったものの惜しくも落選。その後、1991年に講談社から単行本として刊行されました。青春ミステリーとして、野球に情熱を注ぐ高校生たちを襲う連続殺人事件と「魔球」を巡る謎が巧みに描かれた作品です。スポーツと推理が融合した東野圭吾の初期の傑作として知られています。
『魔球』の あらすじ
春の選抜高校野球大会に初出場した開陽高校。エースの須田武志とキャプテン兼捕手の北岡明のバッテリーは、優勝候補の亜細亜学院を相手に9回裏二死満塁まで1点リードを守り抜く。絶体絶命の場面で須田が投じた渾身の一球は、予測不能な変化を見せ、強打者のバットを空を切らせた。だが、その異様な変化に北岡も対応できずボールを後逸。ランナーが帰還し、開陽高校の夢はここで終わった。
その試合からしばらくして、北岡が愛犬とともに刺殺された遺体で発見される。さらに、須田も無残な姿で発見され、二人の死には「魔球」という謎の言葉が絡んでいることが明らかになる。事件を捜査する警察は、誘拐事件や爆発未遂事件との関連性を探る中で、驚くべき真相にたどり着く。
野球に青春を捧げた二人を襲った悲劇の裏に隠された秘密とは何か。スポーツと推理が交錯する、東野圭吾の青春ミステリー。
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