GNPはもう使われない?理由とポイントをやさしく解説!

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「GDP」と「GNP」って、なんだか似ているけど、どう違うの?

ニュースやテストで見かけるけれど、意味をしっかり説明できる人は意外と少ないかもしれません。

この記事では、「GNP(国民総生産)」とは何かをわかりやすく解説しながら、GDPとの違いや、なぜ最近はあまり聞かなくなったのかといったポイントも紹介していきます。

経済の基本をおさえて、ニュースや社会の授業がもっとよくわかるようになりますよ!


GNPとは、英語で「Gross National Product(グロス・ナショナル・プロダクト)」といい、

日本語では「国民総生産」と訳されます。

簡単に言えば、日本人(日本の企業や個人)が国内外で生み出した付加価値の合計を表す経済指標です。


📊GNPの計算式は?

GNP = GDP(国内総生産)+ 海外からの純所得

この「海外からの純所得」とは、例えば以下のようなものを含みます

  • 日本企業が海外で得た利益
  • 日本人が海外で働いて得た給料
  • 海外に住む日本人が送金したお金

そこから、

  • 外国企業が日本で得た利益
  • 外国人労働者が日本で稼いで母国に送るお金

などを差し引いたものが「海外からの純所得」です。


💬ひとことで言うと?

「国民が世界中でどれだけ稼いだか」を示す指標

ということになります。


GNPとよく比較されるのが「GDP(国内総生産)」です。

どちらも「経済の大きさ」を示す指標ですが、何を基準にするかで大きく異なります。


🏢 GDP(国内総生産)

国内で生産されたすべての付加価値の合計
👉 場所が基準。日本国内で生まれた価値なら、誰が稼いだものでもカウントされる。

例:

  • 日本国内の外国企業の利益 → GDPに含まれる
  • 日本人がアメリカで得た利益 → GDPには含まれない

🌏 GNP(国民総生産)

日本国民が国内外で得た付加価値の合計
👉 人が基準。日本人や日本企業が稼いだものなら、世界中どこでもカウントされる。

例:

  • 日本企業が海外で稼いだ利益 → GNPに含まれる
  • 日本国内で外国企業が得た利益 → GNPには含まれない

🔍 まとめると…

指標基準含まれる主な内容含まれない主な内容
GDP場所(国内)日本国内で生まれた価値(国籍問わず)日本人が海外で稼いだ分
GNP国籍(国民)日本人・日本企業が世界中で稼いだ分外国人が日本で稼いだ分

どちらも経済の全体像を知るうえで大切ですが、どこで稼いだか vs だれが稼いだかという視点の違いがポイントです。


かつては経済の大きさや国民の豊かさを示す代表的な指標だったGNP。

しかし現在では、あまり使われなくなり、GDPやGNI(国民総所得)が主流となっています。

その理由はいくつかあります。


📉 理由①:国際比較に不向きだった

グローバル化が進んだ現代では、外国企業が国内に進出したり、自国企業が海外で稼いだりと、経済活動の国境があいまいに。

こうした中で「国民」ベースのGNPでは、各国の経済規模を正確に比べづらいという課題が出てきました。


🔄 理由②:「GNI」に統一されていった

現在では、GNPとほぼ同じ意味の「GNI(Gross National Income:国民総所得)」が、国際機関や教科書でも使われるようになっています。

名前が変わっただけで、実質的にはGNPの後継です。


🧭 理由③:GDPの方が現地経済の実態を表しやすい

国の景気や経済成長を測るには、「その国の中で何が起きているか」を見る方が都合がよい場面が多く、GDPの方が使い勝手がいいとされるようになりました。

今でも「国民の所得」に注目する場面ではGNP的な見方がされることもありますが、
用語としてはGNIやGDPが主流です。


📌ここまでの内容を、ポイントでおさらいしておきましょう!


✅ GNPのキホン

  • GNPは「国民が世界中で稼いだ所得の合計」を表す指標。
  • 計算式は「GNP = GDP + 海外からの純所得

✅ GDPとの違いを簡単に言うと?

  • 「どこで稼いだか」→ GDP、
  • 「だれが稼いだか」→ GNP

✅ 最近あまり見かけない理由は?

  • 国際的にはGDPが標準指標に。
  • GNPは、現在はほぼGNI(国民総所得)として表記される。

✅ でも知っておくと便利!

  • 経済ニュースや歴史の資料集では「GNP」の表記もまだ見かけることがある。
  • 基本的な違いや意味を理解しておけば、時代の流れや経済の動きがよりクリアに

GNP(国民総生産)は、国民が国内外で生み出した所得の合計を示す経済指標です。

かつては国民の経済力を測るためによく使われていましたが、現在ではGDP(国内総生産)GNI(国民総所得)が主流になっています。

とはいえ、GNPの考え方を知っておくと、「誰が稼いだか」と「どこで稼いだか」の違いを理解でき、社会や経済のニュースをより深く読み解く力がつきます。

社会科の豆知識として、ぜひ覚えておきたい用語のひとつです!


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