東野圭吾 著 『疾風ロンド』って どんな本?

東野圭吾『疾風ロンド』 小説

『疾風ロンド』(しっぷうロンド)は、東野圭吾の長編サスペンス小説。2013年11月15日に実業之日本社から文庫書き下ろしとして発刊されました。東野圭吾が書き下ろし文庫を発表するのは、1996年に刊行された『名探偵の呪縛』以来、実に17年ぶりのことです。発売からわずか10日で100万部を突破し、その後2014年12月には単行本も刊行されました。本作は軽快なテンポと緊張感あふれる展開で読者を引き込む娯楽作として高く評価され、2016年には阿部寛主演で映画化もされています。

物語の中心にあるのは、拡散すれば甚大な被害をもたらす危険な生物兵器「K-55」。雪山に隠されたこの兵器を回収するミッションに挑む研究員とその息子が巻き込まれる一連の出来事を描き、最後まで目が離せないスリリングな展開が続きます。

東野圭吾『疾風ロンド』

『疾風ロンド』

(実業之日本社文庫)

2013年 11月 発売

泰鵬大学医科学研究所から危険な新型病原菌「K-55」が盗まれました。この「K-55」は、研究所の元研究員・葛原克也が独断で開発した生物兵器で、保管場所から持ち出した彼は、所長の東郷雅臣に「K-55を隠した場所を示すテディベアの写真」を送り、3億円の身代金を要求します。しかし、脅迫直後に葛原は交通事故で命を落としてしまいます。

発信機のついたテディベアを頼りに「K-55」を回収する任務を任されたのは、主任研究員の栗林和幸でした。手掛かりは遺品のカメラに残された7枚の写真のみ。その写真を基に息子の秀人と共にスキー場の特定に挑みます。息子の助けで「里沢温泉スキー場」と判明し、親子は現地へ向かいました。しかし、栗林のスキー技術はお粗末で、広大な雪山での捜索は困難を極めます。挙句の果てに足を負傷し、捜索の続行が不可能に。栗林はやむなくスキー場のパトロール隊員・根津に協力を依頼します。

その後、根津とスノーボード選手の千晶の助けを借り、写真の場所を次々と巡りますが、発信機の反応は一向に見つかりません。実はテディベアは別の場所へ移動しており、発信機が意外な場所で反応を示したことで、ついに「K-55」が埋められた場所を特定します。しかし、そこには他にも「K-55」を狙う者たちが現れ、スキー場を舞台にした熾烈な争奪戦が繰り広げられることに。

果たして「K-55」を無事に回収し、拡散を防ぐことができるのか?息詰まるスリルとユーモアを交えたラストまで、一気に読ませるサスペンス巨編です。

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