『しのぶセンセにサヨナラ』とは
『しのぶセンセにさよなら』は、東野圭吾の「浪花少年探偵団シリーズ」の続編として1993年12月に刊行されました。本作は、1990年から1992年にかけて『小説現代』に掲載された6編を収録したものです。1996年に文庫版が『しのぶセンセにさよなら 浪花少年探偵団・独立篇』として発売され、2011年には『しのぶセンセにさよなら』と改題して再刊行されました。
本作は第一作が好評を博したことから、編集部の要請を受けて連載が再開されたものの、著者自身が「作品の世界に留まっていられなくなった」と語るように、執筆当時の心境の変化から、シリーズの完結作となりました。著者は後書きで「人間は変化し、書けるものも変わっていく」と述べており、呑気な世界観を描くことが難しくなったとしています。
本作では、竹内しのぶと元教え子たちが織り成す青春ミステリーが展開され、シリーズの魅力を締めくくる一冊として、多くの読者に愛されています。
『しのぶセンセにサヨナラ』の あらすじ
かつて小学校教師として教壇に立ち、愛される「しのぶセンセ」こと竹内しのぶ。現在は内地留学のため教師を休職しながらも、その周囲では次々と事件が起こります。
秘書としてスカウトされた会社で起きた社員の密室死亡事故、元教え子たちと再会する中で巻き込まれた交通事故や家族間のトラブル、さらには病院や新たな引っ越し先での事件――しのぶセンセは、その機転と推理力で謎を解き明かしていきます。
それぞれの事件の背景には、密室トリックや意外な動機が絡み、しのぶセンセはかつての教え子たちと力を合わせながら解決を目指します。そして、内地留学を終え再び教壇に戻るしのぶセンセに、さらなる試練と驚愕の真実が待ち受けていました。
笑いと感動が詰まった、浪花少年探偵団シリーズ第二弾。しのぶセンセの明るさと生徒たちの成長が描かれる本作は、心温まる青春ミステリーの傑作です。
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