東野圭吾 著 『おれは非常勤』って どんな本?

東野圭吾『おれは非常勤』 小説

『おれは非情勤』は、東野圭吾による連作短編推理小説集。小学校で非常勤講師を務めながら、ミステリ作家を目指す「おれ」を主人公に、学校という閉鎖的な環境で巻き起こる怪事件を描きます。初出は、1997年から1999年にかけて学研の小学生向け雑誌『5年の学習』と『6年の学習』に連載された作品。2003年に集英社文庫から、大幅加筆の上で刊行されました。

本作には6つの短編に加え、ジュブナイルミステリ「放火魔をさがせ」と「幽霊からの電話」の2編も収録。推理や暗号解読の要素が巧みに盛り込まれ、学校での出来事を通じて人間関係や社会問題を鋭く浮き彫りにします。非常勤講師としての「おれ」が教師として成長しながら、次々と難事件に挑む姿はユーモアと緊張感に満ち、読者を魅了する作品集となっています。

東野圭吾『おれは非常勤』

『おれは非常勤』

(集英社文庫)

2003年 5月 発売

大学時代に教員免許を取得した「おれ」は、ミステリ作家を目指しながら非常勤講師として小学校に勤務している。教えることに特別な情熱を持っているわけではないが、生徒たちとの関わりの中で、次々と巻き起こる怪事件に挑むことになる。

第一章:6×3
赴任先の小学校で女性教諭が殺害される。殺害現場の体育館には「6×3」という暗号が残されていた。この数字が何を示しているのか?推理を進める「おれ」は驚くべき真相にたどり着く。

第二章:1/64
体育の授業中に発生した教室での盗難事件。生徒の持ち物にあった「1/64」という謎めいた記号が事件解決の鍵を握る。

第三章:10×5+5+1
前任教師の不審死に疑問を抱いた「おれ」は、黒板に残された数式が真実を隠していることに気づく。

第四章:ウラコン
自殺を図った少女が口にした「ウラコン」とは何か。少女を救うため、「おれ」はその意味を解明していく。

第五章:ムトタト
修学旅行の中止を要求する脅迫状と、封筒に記された「ムトタト」の謎。「おれ」がその正体を暴き、脅迫事件の真相に迫る。

第六章:カミノミズ
授業中に倒れた生徒のペットボトルから砒素が発見される。「カミノミズ」という言葉の真実を知った「おれ」は、この事件の背後に潜む危険な計画を暴く。

また、「放火魔をさがせ」と「幽霊からの電話」では、小学生を主人公に奇妙な事件が展開され、読者をさらに引き込む。ミステリの醍醐味が詰まった本作は、推理小説の新たな魅力を発見できる一冊です。

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