『浪花少年探偵団』とは
東野圭吾の推理小説『浪花少年探偵団』は、講談社から刊行された作品で、続編と併せて「浪花少年探偵団シリーズ」または「しのぶセンセシリーズ」と呼ばれています。
第一作『浪花少年探偵団』は、1986年から1988年にかけて『小説現代』および『小説現代臨時増刊』で不定期連載され、1988年12月に単行本として刊行。1991年には文庫版が発売されました。その後、1990年から1992年にかけて『小説現代』に掲載された6編を収録した続編『浪花少年探偵団2』が1993年12月に刊行。1996年には『しのぶセンセにさよなら 浪花少年探偵団・独立篇』として文庫化され、2011年には『しのぶセンセにさよなら』と改題されています。
物語の舞台は大阪の大路小学校。女教師・竹内しのぶが担任する6年5組の田中鉄平や原田郁夫、大阪府警捜査一課の新藤・漆原コンビらと共に、身近で起こる事件を解決していく姿が描かれます。続編『しのぶセンセにさよなら』では、しのぶが兵庫県の大学に内地留学し、教師の職を離れた2年後の物語が展開。鉄平や原田は中学生となり、新たな事件が描かれます。
本作はドラマ化や漫画化もされ、2000年に山田まりや主演でNHK教育「ドラマ愛の詩」枠で、2012年には多部未華子主演でTBS「パナソニック ドラマシアター」枠で放送されました。また、一部エピソードは沖本秀子により漫画化されています。
『浪花少年探偵団』
（講談社文庫）
1988年 12月 発売
『浪花少年探偵団』の あらすじ
大阪の大路小学校に勤務する竹内しのぶは、明るく快活な小学校教師。彼女の周囲では次々と不可解な事件が起こり、しのぶは好奇心旺盛な性格と愛する教え子たちのため、事件解決に奔走することになる。
しのぶが担任するクラスの生徒・福島友宏の父親が殺害された事件をきっかけに、しのぶは大阪府警の新藤刑事と出会う。その後も、ゲームソフト強奪事件、クリスマスパーティーでの不審死、そして卒業間近の生徒が目撃した転落事故など、さまざまな事件に巻き込まれていく。
事件を通して、しのぶの前には新藤刑事とエリートサラリーマンの本間義彦という二人の男性が現れ、彼女に思いを寄せるが、しのぶはどちらにもはっきり返事をしないまま、事件解決に力を尽くす。
笑いと感動を織り交ぜながら、子どもたちや大人たちの心の成長を描く青春ミステリーの傑作。短編集形式で展開される5つの物語には、それぞれが繋がる人間ドラマと驚きの真相が待ち受けている。
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