東野圭吾 著 『クスノキの女神』って どんな本?

東野圭吾『クスノキの女神』 小説

『クスノキの女神』は、東野圭吾による「クスノキの番人」シリーズの待望の第二弾。前作『クスノキの番人』で不思議な御神木の番人となった直井玲斗が、今回もクスノキのもとを訪れる人々と関わりながら、新たな事件に巻き込まれていく。

物語の発端は、一人の女子高校生・早川佑紀奈が月郷神社を訪れ、「自作の詩集を神社に置かせてほしい」と玲斗に頼むことから始まる。彼女の詩集はなかなか売れなかったが、ある日、一冊の詩集を手にして感動する青年・久米田康作が現れる。しかし、その数日後、神社の近くで強盗致傷事件が発生し、容疑者として逮捕されたのは久米田だった。事件現場から逃げる際、彼がクスノキに潜伏していたことが判明し、玲斗はクスノキの不思議な力を使って事件の真相を探ろうとする。

一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害を持つ少年・元哉は、偶然手にした佑紀奈の詩集から強いインスピレーションを得る。玲斗が佑紀奈と元哉を引き合わせると、二人は瞬く間に意気投合し、ある大胆なプランを思いつく。クスノキのもとに導かれた彼らが実現しようとする計画とは何なのか?

人々の運命を紡ぐクスノキの力、その番人としての玲斗の成長、そして思いがけない事件の謎解きが絡み合い、物語は大きく動き出す。前作に続き、幻想的な雰囲気と心温まるストーリーが交錯する本作は、東野圭吾が描く新たな感動作として、シリーズファンを魅了するだろう。

東野圭吾『クスノキの女神』

『クスノキの女神』

(実業之日本社)

2024年 5月 発売

奇妙な依頼
月郷神社で社務所の管理を任されている直井玲斗のもとに、ある日、一人の女子高校生が訪れる。彼女の名は早川佑紀奈。弟と妹を連れて神社に来た彼女は、「自作の詩集を神社に置かせてほしい」と玲斗に頼む。クスノキのもとに詩集を置けば、多くの人の目に触れ、誰かの心に届くかもしれない。そう信じる佑紀奈の熱意に押され、玲斗はその依頼を受け入れることにした。しかし、期待に反して詩集は一冊も売れないまま日々が過ぎていく。

奇妙な男と事件の影
ある日、神社に訪れた一人の青年・久米田康作が、佑紀奈の詩集をじっと読んでいた。玲斗が彼に声をかけると、久米田は詩に強く惹かれた様子だった。しかし、玲斗が目を離した隙に、久米田は料金を払わずに詩集を持ち帰ろうとする。玲斗が詰め寄ると、「今はお金がないので、後で払いに来るつもりだった」と弁明するが、彼の態度にはどこか不審なものがあった。そこへ偶然、佑紀奈が現れ、彼に詩集を無料で譲ることを決める。理由を尋ねると、佑紀奈は「お金よりも、読んでくれる人がいることのほうが大事だから」と微笑んだ。

しかし、それからしばらくして、神社の近くで強盗致傷事件が発生する。そして、容疑者として逮捕されたのは、詩集を持ち去った久米田だった。玲斗は衝撃を受けるが、さらに驚くべきことに、久米田は事件の後、クスノキに潜伏していたことが判明する。捜査のために刑事・中里が神社を訪れ、玲斗に協力を求めるが、玲斗は自分なりの方法で事件の真相を探る決意をする。

不思議な出会いと新たな計画
一方、玲斗は認知症カフェで記憶障害を持つ少年・元哉と出会う。元哉は、佑紀奈の詩集を手に取ると、そこから強いインスピレーションを受ける。玲斗は元哉と佑紀奈を引き合わせることにした。二人はすぐに意気投合し、佑紀奈の詩と元哉のアイデアを融合させた、新たなプロジェクトを考え始める。クスノキの力を借りた彼らの計画とは一体何なのか?

事件の真相とクスノキの力
玲斗は、クスノキの持つ不思議な力を利用して、久米田が本当に事件の犯人なのかを探る。果たして、久米田は強盗致傷事件の真犯人なのか? それとも、何者かに陥れられたのか? 事件の裏には、想像を超える真実が隠されていた。

クスノキのもとに集まる人々の想いが交錯する中、玲斗は番人としての役割を全うし、事件と人々の運命に関わっていく。彼の手によって明かされる事件の真相、そして、佑紀奈と元哉が生み出す新たな未来とは——?

コメント

タイトルとURLをコピーしました