『危険なビーナス』とは
『危険なビーナス』(きけんなビーナス)は、東野圭吾による長編ミステリー小説です。2016年8月26日に講談社から刊行され、2019年に文庫化、2020年にはTBS系「日曜劇場」でドラマ化されました。正義感が強く美女に弱い独身獣医の手島伯朗が、失踪した異父弟・明人を探す中で、彼の妻を名乗る謎の女性・楓と出会い、複雑な家族関係と名家・矢神家の遺産を巡る謎に巻き込まれていく物語です。
伯朗は、異母弟との疎遠な関係を保ちながら穏やかな日々を送っていましたが、楓との出会いによってその生活は一変します。彼女の要望で矢神家に足を踏み入れた伯朗は、遺産を巡る争い、家族の秘密、そして母親の死の真相に直面します。果たして明人の失踪は遺産が絡む陰謀なのか、そして伯朗と楓の間に芽生える微妙な感情の行方はどうなるのか。スリリングな展開と人間模様が交錯するエンターテインメントミステリーです。
『危険なビーナス』の あらすじ
動物病院に勤務する独身獣医の手島伯朗は、ある日突然、弟の妻を名乗る美しい女性・楓から連絡を受けます。楓によると、伯朗の異父弟・明人が行方不明になったとのこと。楓は明人を探すため伯朗に協力を求め、二人は資産家一族である矢神家に接触します。矢神家は、伯朗の母が再婚した夫・康治の親族であり、巨額の遺産を抱える名家です。
伯朗は当初、矢神家との関わりを避けたがっていましたが、楓の熱意にほだされて捜索に協力することを決意。やがて、明人の失踪が遺産争いに関係しているのではないかと考え始めます。楓と行動を共にする中で、伯朗は彼女の魅力に惹かれていきますが、同時に彼女の行動や言動に疑念を抱くようになります。
一方で、矢神家にはそれぞれが抱える秘密がありました。明人の父である康治が研究していたサヴァン症候群や、幾何学模様の謎の絵、さらに伯朗の母親の死に隠された真実が浮かび上がってきます。伯朗と楓はこれらの謎を解き明かすため奔走しますが、やがて事件は思わぬ方向に進展し、二人の関係も複雑な様相を呈していきます。
果たして明人の行方は?矢神家に隠された秘密とは?伯朗と楓の関係の行方は?巧妙に張り巡らされた伏線が最後に一つに収束する、東野圭吾ならではのスリリングなミステリーが展開します。
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