東野圭吾 著 『ゲームの名は誘拐』って どんな本?

東野圭吾『ゲームの名は誘拐』 小説

『ゲームの名は誘拐』は、東野圭吾による2002年刊行の長編ミステリー小説です。物語は、敏腕広告プランナーの佐久間俊介と大手自動車メーカー副社長・葛城勝俊の娘、樹理が仕掛ける「狂言誘拐」を軸に展開します。偶然の出会いから始まった二人の計画は、当初は完全犯罪を目指していたものの、予期せぬ展開により歯車が狂い始めます。

本作は一貫して佐久間の視点で語られ、警察や周囲の動向を描かない独特の構成が特徴です。犯人側の心理や計画の綻びが徐々に明らかになる中で、物語はサスペンスフルなクライマックスへと突き進みます。2003年には映画『g@me.』として映像化され、2024年にはWOWOWでテレビドラマ化も予定されています。社会的立場や人間関係の裏に潜む欲望を炙り出した、スリリングな心理サスペンスです。

東野圭吾『ゲームの名は誘拐』

『ゲームの名は誘拐』

(光文社文庫)

2002年 11月 発売

敏腕広告プランナーの佐久間俊介は、自らがリーダーを務める自動車メーカー「日星自動車」の新プロジェクトを、葛城勝俊副社長の一言で潰されてしまう。仕事へのプライドを傷つけられ、復讐心を抱えた佐久間は、葛城邸を訪れる。そこで偶然出会ったのが、葛城の娘・樹理だった。家族に居場所を見出せず、家出を決意していた樹理は、父親から金を奪いたいと願っていた。

そこで佐久間は、彼女と手を組み、葛城家を標的とした「狂言誘拐」を計画する。誘拐犯と人質を装い、3億円の身代金を手に入れるという完璧なシナリオ。しかし、誘拐ゲームを楽しむ二人に予想外の事態が次々と降りかかり、計画は思わぬ方向へと転がり始める。果たして、この危険なゲームの行方は?そして、二人が手を組む本当の理由とは何なのか?最後の最後で明らかになる衝撃の真実が待ち受けています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました