『同級生』とは
1993年2月、祥伝社より刊行。1996年8月8日には講談社文庫から発売された。
修文館高校3年生の宮前由希子が交通事故で命を落とす。彼女は同級生で野球部キャプテンの西原荘一の子を妊娠していた。由希子の死をきっかけに、自分が父親であることを告白した荘一は、事故に不審な点を感じ、その真相を追う決意をする。
調査を進めるうちに、事故現場に生活指導の女教師・御崎藤江が居合わせていたことが判明する。しかし、御崎は何者かに教室で絞殺されてしまう。由希子の事故死と御崎の殺害――2つの事件が複雑に絡み合い、荘一は疑われながらも真実を突き止めようと奔走する。
青春とミステリーが交錯する物語。東野圭吾の作家人生においてターニングポイントとなった一作であり、鮮烈な印象を残す傑作青春ミステリー。
『同級生』の あらすじ
修文館高校の三年生で野球部のキャプテンを務める西原荘一。彼の恋人であり、野球部のマネージャーでもあった宮前由希子が、ある日トラックに轢かれ命を落とした。由希子は妊娠しており、胎内の子の父親は壮一だった。壮一は軽い気持ちで由希子と関係を持ち、その結果彼女が妊娠していたことを事故が起きるまで知らなかった。
事故現場は産婦人科近くの道路だった。由希子がなぜ突然トラックの前に飛び出したのか、壮一にはわからなかった。悔恨と責任感から、彼は事故の真相を突き止める決意をする。そして調査を進めるうちに、事故当時、現場に生活指導担当の女教師・御崎藤江がいたことを突き止めた。しかし、学校はその事実を隠していた。壮一は、御崎が由希子を追いかけたため、彼女が慌てて道路に飛び出し事故に遭ったのではないかと推測し、御崎に真相を問いただそうとする。
そんな中、御崎が突然遺体で発見される。彼女は何者かに絞殺されていた。由希子の死に疑念を抱き、学校や教師に詰め寄っていた壮一は、御崎殺害の容疑者として周囲から疑われることになる。だが彼は、真犯人を暴き、由希子の名誉を守るために独自に調査を進める。
調査を進める壮一だったが、新たな事件が発生する。今度の被害者もまた、彼に深い関わりのある人物だった。由希子の交通事故、御崎藤江の殺害、そして新たな事件。三つの出来事がどのように繋がっているのか。真相を追う壮一は、衝撃の事実にたどり着くことになる。
過去の秘密、複雑に絡み合う人間関係、そして復讐。壮一は、この真実をどのように受け止めるのか。東野圭吾が描く、心揺さぶる青春ミステリー。
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