東野圭吾　著　『どちらかが彼女を殺した』って　どんな本？　加賀恭一郎シリーズ３作目！

『どちらかが彼女を殺した』とは

『どちらかが彼女を殺した』は、東野圭吾による推理小説で、加賀恭一郎シリーズの第3作にあたる。1996年6月6日に講談社ノベルスとして刊行され、1999年5月15日に講談社文庫版が発売された。

本作は、愛知県警の警察官・和泉康正が最愛の妹・園子の死の真相を追う中で展開するサスペンスフルなミステリー。園子は一見自殺に見える状況で命を落としたが、康正は直感から他殺を疑い、自らの手で真犯人を突き止めようとする。容疑者として浮かび上がるのは、園子の元恋人・佃潤一と親友の弓場佳代子。どちらが彼女を殺したのか、それとも共犯なのか――その謎に迫る康正の復讐劇と、事件を追う加賀刑事の冷静な捜査が交錯する。

東野圭吾が手がけた本作は、推理小説としての本格的な技巧と、心理描写に富んだドラマが融合した一冊。読者に真相を委ねる独特な構成が話題を呼び、東野圭吾の代表的な作品の一つとなっている。

『どちらかが彼女を殺した』の　あらすじ

警察官として働く和泉康正にとって、妹の園子は唯一の家族であり、かけがえのない存在だった。ある日、園子から「明日帰る」との電話があったが、その約束は果たされなかった。不安を抱いた康正が園子の住むマンションを訪ねると、彼女は変わり果てた姿で発見された。警察は一見して自殺と判断したが、康正の直感はそれを否定する。現場には他殺を示唆する痕跡が残されており、康正は復讐心に駆られて自ら犯人を追うことを決意する。

康正は警察による捜査を撹乱するため、巧妙に痕跡を隠蔽し、妹の死に関わる真相を独自に追求する。捜査を進める中で、容疑者は2人に絞られた。1人目は園子の元恋人である佃潤一、そして2人目は親友の弓場佳代子だった。康正の推測では、2人は恋愛関係にあり、園子を邪魔者として排除したのではないかと考える。しかし、犯人は単独なのか、2人の共犯なのか、それとも別の真相が隠されているのか――その答えは容易には見つからない。

一方、この事件を担当する加賀恭一郎刑事は、康正が隠した手がかりを鋭い洞察力で見抜き、真実に迫っていく。加賀は康正が復讐に手を染める前に事件の全容を解き明かそうと奔走する。愛と友情、信頼と裏切りが交錯する中、事件の真相が明かされる時、妹の死の背後に潜む悲劇的なドラマが浮かび上がる。

果たして園子を殺したのは誰なのか？愛する妹のために康正が下す最後の決断とは――衝撃の結末が待つミステリー。