東野圭吾 著 『ブルータスの心臓』って どんな本?

東野圭吾『ブルータスの心臓』 小説

東野圭吾による本格推理小説『ブルータスの心臓 – 完全犯罪殺人リレー』は、1989年に光文社から単行本として刊行され、1993年に文庫版が発売、2009年には新装版も刊行されました。本作は、人間の欲望と野望が交錯する中で、綿密に計画された完全犯罪が予期せぬ方向へ展開していく様を描いたスリリングな物語です。

キャッチコピーは「約束された未来のため、男は殺人へと走る!」。野心家のエリート社員が、計画の果てに待ち受ける驚愕の結末に挑みます。

本作を原作としたテレビドラマが2011年6月17日に藤原竜也主演で放送され、多くの視聴者を魅了しました。策略と裏切りが交錯する心理戦が見どころの傑作ミステリーです。

東野圭吾『ブルータスの心臓』

『ブルータスの心臓』

(光文社文庫)

1989年 1月 発売

産業機器メーカーMM重工業で働くエリート社員・末永拓也は、上昇志向の強い野心家。彼の目標は、創業者一族である仁科家の令嬢・星子との結婚を実現し、社内での地位を盤石なものにすることだった。しかし、星子との関係が進展する矢先、遊び相手だった役員室秘書の雨宮康子から妊娠を告げられる。康子は堕胎を拒否し、拓也を困惑させる。野望実現のために彼女を排除する必要があると考えた拓也は、殺害を決意する。

そんな中、拓也は星子の兄である仁科直樹から呼び出される。驚くべきことに、直樹もまた康子との関係を持ち、彼女から妊娠をネタに脅迫を受けていた。そして同僚の橋本も康子と関係を持ち、同じ状況に陥っていた。3人は共謀し、康子を殺害する完全犯罪計画を立てることに。

計画は綿密だった。大阪で康子を殺害し、死体を名古屋へ運ぶのが直樹、名古屋から厚木へ運ぶのが拓也、そして厚木から東京へ運び最終的に死体を処理するのが橋本というリレー形式で、それぞれのアリバイを完璧に構築するはずだった。

しかし、計画は予想外の展開を迎える。厚木で死体を別の車に移し替えようとした際、運ばれてきたのは康子ではなく直樹の死体だった。さらに、その後橋本も何者かによって青酸カリで毒殺される。自らも命を狙われる状況に陥る中、拓也は事件の背後に隠された真実に直面することになる。

愛憎と野望が絡み合う複雑な人間関係、そして緻密なトリックで繰り広げられる完全犯罪は果たして成功するのか?東野圭吾の描く、究極の心理戦と驚愕の結末が待ち受ける本格推理小説。

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