東野圭吾 著 『容疑者Xの献身』って どんな本? ガリレオシリーズ3作目!

東野圭吾『容疑者Xの献身』 小説

『容疑者Xの献身』は、東野圭吾の推理小説であり、ガリレオシリーズ第3弾にあたる作品です。2003年から文芸誌『オール讀物』に連載され、2005年に文藝春秋から単行本として刊行されました。国内外で高い評価を受け、第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞を受賞し、エドガー賞にも日本人として史上2度目のノミネートを果たしました。また、『本格ミステリ・ベスト10』『このミステリーがすごい!』『週刊文春ミステリーベスト10』でそれぞれ1位を獲得し、5冠を達成した名作です。

物語は、天才数学者である高校教師・石神が、隣人である花岡靖子母娘を守るため完全犯罪を企てる一方、石神の旧友である物理学者・湯川学が事件の謎に挑む姿を描いています。真相が徐々に明らかになる過程で浮かび上がるのは、深い愛情とそれゆえの犠牲です。2008年に映画化され、以降も韓国、中国、インドでリメイクされるなど、世界的な人気を博しています。湯川学の冷静な推理と石神の献身的な愛が交錯する、息を呑むサスペンスと感動の物語です。

東野圭吾『容疑者Xの献身』

『容疑者Xの献身』

(文春文庫)

2005年 8月 発売

石神哲哉は、かつて「50年に一度の天才数学者」と言われたほどの才能を持つ男でした。しかし現在は高校の数学教師として、不遇な日々を送りながら静かに暮らしていました。彼の生活に唯一の彩りを与えていたのは、隣室に住む花岡靖子とその娘・美里の存在です。石神は靖子に秘かな想いを寄せていましたが、自らの容姿や境遇に劣等感を抱き、その想いを胸の奥に秘めていました。

ある日、靖子の元夫・富樫慎二が現れ、金を無心し、母娘を脅迫します。暴力に怯えながらも耐えようとしていた靖子でしたが、富樫の横暴に激昂した美里が衝動的に彼を攻撃。靖子もまた娘を守るため、富樫を殺害してしまいます。事件を目の当たりにした石神は、彼女たちを守るために協力を申し出ます。彼は天才的な頭脳を駆使し、警察の目を欺くための巧妙なアリバイ工作を仕掛けます。

一方、警察は富樫の遺体が発見されたことから捜査を開始。刑事・草薙は捜査を進める中で、湯川学に協力を依頼します。湯川は偶然、石神が容疑者の隣人であることを知り、彼との旧交を温めるため訪問しますが、石神の不自然な行動に疑念を抱きます。

湯川は草薙とは別に独自の調査を進め、石神の真意と彼が隠している秘密に迫ります。そして明らかになるのは、石神が花岡母娘を守るために仕組んだ想像を絶するトリックと、その背後に潜む無償の愛でした。

湯川が突き止めた真実により、石神の行動の全貌が明らかになると、靖子はその深い愛情に打ちのめされます。そして、湯川と石神の友情と信頼が揺れ動く中で物語は衝撃的な結末を迎えます。

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