東野圭吾 著 『予知夢』って どんな本? ガリレオシリーズ2作目!

東野圭吾『予知夢』 小説

『予知夢』は、東野圭吾によるガリレオシリーズ第2弾の短編推理小説集です。2000年6月に文藝春秋より刊行され、テレビドラマ『ガリレオ』の原作としても知られています。

本作では、物理学者・湯川学と警視庁の草薙俊平が再び手を組み、科学と論理的思考によって、常識では解明できない奇妙な事件の真相に挑みます。第1作『探偵ガリレオ』では主に物理現象に焦点が当てられましたが、本作では科学だけにとどまらず、予知や霊現象といったオカルト的要素を含む謎も登場します。湯川が鋭い洞察力で真実を解き明かし、草薙と共に事件の背後に潜む人間ドラマにも迫る展開が見どころです。

この短編集では、湯川が科学の枠を超えて人間心理や社会の闇にも迫る姿が描かれています。オカルト的な要素とリアルな推理が絶妙に絡み合う物語で、読者を魅了する一冊です。

東野圭吾『予知夢』

『予知夢』

(文春文庫)

2000年 6月 発売

第1章:夢想る(ゆめみる)

深夜、16歳の少女の部屋に男が侵入し、母親が猟銃で男を撃退する事件が発生。男は逮捕されるが、「17年前に少女と結ばれる夢を見た」と供述する。さらに、その証拠として、小学校時代に書いた作文が発見される。偶然なのか、それとも「予知夢」なのか。草薙は湯川に協力を求め、湯川は事件の背後に隠された驚くべき真実に迫る。


第2章:霊視る(みえる)

マンションで夜の仕事をしていた女性が殺害された。その同時刻、彼氏は遠く離れた場所で彼女の姿を目撃していた。被害者の「幽霊」が彼氏に自分の死を伝えたのか、それとも別の真相が隠されているのか。草薙は湯川を訪ね、この不可解な事件の謎を解明していく。


第3章:騒霊ぐ(さわぐ)

女性の夫が行方不明になり、彼が最後に立ち寄ったと思われる家では、決まった時間に家が揺れる奇怪な現象が発生していた。亡くなった人々の霊が何かを訴えているのか。湯川は家を訪問し、物理的観点から振動現象の原因を探る。そこで見つけたのは、科学と人間の業が絡み合った真実だった。


第4章:絞殺る(しめる)

ホテルで男性の絞殺死体が発見され、保険金目的で妻が容疑者として浮上。しかし妻には完璧なアリバイがある。事件の背後にあるトリックを解き明かすため、湯川は被害者が運営していた工場を訪問。湯川の科学的な視点と洞察力が、殺人トリックの真相を明らかにしていく。


第5章:予知る(しる)

不倫相手に見せつける形で女性が自殺。しかし、事件の数日前に別の人物がその自殺を「予知していた」と語る。少女が見たという「未来の出来事」は本当に予知だったのか。湯川はこの自殺が仕組まれたものだと推測し、巧妙なトリックを暴く。


本作では、湯川が科学的知識を駆使して謎を解く姿が描かれています。超常現象と見える事件の背後に潜む現実的な理由を明らかにする湯川の論理と洞察は、読者を強く引きつけます。科学と人間ドラマが織りなすこのミステリー短編集は、ガリレオシリーズの中でも魅力的な一冊です。

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