東野圭吾　著　『夜明けの街で』って　どんな本？

『夜明けの街で』とは

『夜明けの街で』は、東野圭吾による横浜を舞台とした推理小説で、2007年に角川書店から刊行されました。不倫とミステリーを絡めたサスペンスラブストーリーであり、2004年から2007年にかけて雑誌『野性時代』で連載されました。本作は、サザンオールスターズの楽曲「LOVE AFFAIR 〜秘密のデート」に触発されて執筆された作品で、楽曲の歌詞に沿った要素が物語の随所に織り込まれています。

渡部は建設会社に勤める中堅社員で、不倫を軽蔑していましたが、新たに派遣社員として入社した仲西秋葉と出会い、その感情が一変します。不倫に溺れる中で、渡部は秋葉の過去に隠された暗い影に気づきます。秋葉は高校生だった15年前に起きた殺人事件の容疑者であり、その事件は3月31日をもって時効を迎えるのです。秋葉との関係を続ける中で、渡部は愛と罪悪感の間で葛藤しつつ、15年前の事件の真実に迫っていきます。

映画化もされ、岸谷五朗と深田恭子が主演を務めた作品は、甘美な愛と切ない謎が交錯する独特の魅力で、多くの読者を魅了しました。120万部を超えるベストセラーとなり、東野圭吾の新たな代表作として広く認知されています。

『夜明けの街で』の　あらすじ

渡部は建設会社で働く普通のサラリーマンで、妻と娘を持つ家庭人。しかし、ある日バッティングセンターで派遣社員の仲西秋葉と出会ったことがきっかけで、不倫という甘美な地獄に足を踏み入れることになります。秋葉はミステリアスな魅力を持ち、彼女と過ごす時間は渡部にとって非日常的な喜びを与えていました。しかし、次第に彼は秋葉が抱える暗い過去に気づきます。

15年前、秋葉の父親の愛人が殺害される事件が発生し、彼女は容疑者として疑いをかけられていました。その事件は未解決のまま、3月31日を迎えると時効を迎える運命にありました。渡部は秋葉が語る「時効の日に全てを話す」という言葉に揺さぶられながらも、彼女への愛情と自身の家庭への罪悪感の間で葛藤を続けます。

そして、運命の日が訪れ、ついに15年前の事件の真相が明らかにされます。渡部はその真実とどのように向き合うのか、不倫の行方はどうなるのか――愛と謎が絡み合う展開が待ち受けます。