東野圭吾 著 『探偵ガリレオ』って どんな本? ガリレオシリーズ1作目!

東野圭吾『探偵ガリレオ』 小説

『探偵ガリレオ』は、東野圭吾による推理小説で、ガリレオシリーズ第1作目となる短編小説集。1998年5月に刊行され、テレビドラマ『ガリレオ』の原作としても知られる。本作では、常識を超えた不可解な事件に挑む天才物理学者・湯川学の活躍が描かれる。

警視庁捜査一課の刑事・草薙俊平が奇怪な事件に直面すると、必ず訪ねるのが大学時代の友人である湯川学。帝都大学理工学部物理学科助教授である湯川は、卓越した科学知識と鋭い洞察力で事件を解き明かす“探偵ガリレオ”として、科学の力で真相に迫る。

収録エピソードには以下のような不可思議な事件が含まれる

  • 深夜のバス停で若者の頭が突然燃え上がる事件(人体発火の謎)。
  • 池で発見された金属製デスマスクに隠された秘密。
  • 心臓だけが腐敗した死体に隠された科学的トリック。
  • 湘南海岸での謎の爆発事故とその科学的真相。
  • 幽体離脱による目撃証言の信憑性を問う事件。

理系出身である東野圭吾ならではの最先端科学を用いたトリックが随所に盛り込まれ、専門知識を要する独創的な仕掛けとともに、登場人物の人間性が浮き彫りになるストーリー展開も見どころとなっている。

「常識を超えた謎に挑む」というキャッチコピー通り、湯川と草薙の名コンビが解き明かす科学ミステリーの世界が堪能できる一冊である。

東野圭吾『探偵ガリレオ』

『探偵ガリレオ』

(文春文庫)

1998年 5月 発売

警視庁捜査一課の刑事・草薙俊平は、奇妙で説明のつかない事件に直面するたびに、必ず訪ねる友人がいる。それは、帝都大学理工学部物理学科助教授であり、天才科学者として名高い湯川学だ。湯川は常識を超えたオカルトチックな事件を、科学的な視点から見事に解き明かす“探偵ガリレオ”として活躍する。
本作は、湯川と草薙のコンビが挑む5つの難事件を描いた連作ミステリーである。

第一章「燃える」(もえる)

深夜のバス停近くで若者たちがたむろしていると、突然一人の頭が燃え上がり焼死する。現場にはガソリンの臭いが残り、焼け跡から変形したポリタンクが見つかったが、若者たちは自分たちが火を点けたわけではないと証言する。さらに、事件当日に現場近くで「赤い糸」を見たという少女が現れた。この不可解な現象の真相を探るため、草薙は湯川を訪ね、湯川は事件に隠された科学的トリックを解明していく。

第二章「転写る」(うつる)

草薙は姪の文化祭で展示されていた奇妙なデスマスクを目にする。それは池で拾った金属製のマスクに石膏を流し込んで作られたものだったが、その顔が、行方不明になっていた男性に酷似していると判明。池から発見された男性の遺体とマスクの関連性、そしてその生成過程に湯川が挑む。湯川の科学的な推理が、事件の背後にある意外な真相を暴く。

第三章「壊死る」(くさる)

スーパーマーケット経営者が浴槽内で遺体となって発見される。その胸には奇妙な痣があり、解剖の結果、細胞が瞬間的に壊死した痕跡が確認された。感電や薬物中毒では説明できないこの異常な死因に、捜査は難航する。湯川が事件に介入し、驚くべき科学現象と絡む殺害方法を解き明かしていく。

第四章「爆ぜる」(はぜる)

湘南海岸で突如発生した爆発により女性が命を落とす。事件現場には爆発物の痕跡が一切なく、捜査は暗礁に乗り上げる。一方、三鷹のアパートでは男性が殺害され、部屋から発見された写真が湯川の大学を指していることが判明。湯川は湘南海岸を訪れ、爆発事件の背後に潜む科学的トリックを暴きながら、二つの事件のつながりに迫る。

第五章「離脱る」(ぬける)

マンションで女性の遺体が発見され、容疑者として浮上した男性は事件当日、川辺に車を停めていたと主張。しかし目撃者は現れず、アリバイが証明できない。その矢先、捜査本部に「幽体離脱によって事件当日の目撃をした」と主張する少年の手紙が届く。草薙は湯川のもとを訪ね、少年の証言に隠された科学的要因を解明しつつ、事件の真相に迫る。

湯川学が科学の力で常識を超えた事件の謎を解き明かす、本格ミステリーのシリーズ第一作。科学的知識と推理の融合が冴え渡る傑作である。

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