『卒業』とは?
東野圭吾による推理小説であり、「加賀恭一郎シリーズ」の第1作となる『卒業―雪月花殺人ゲーム』は、主人公・加賀恭一郎がまだ大学生だった頃の物語です。彼が初めて遭遇した殺人事件を通じて、後の刑事としての才能の片鱗が描かれています。
本作は、1986年5月20日に講談社から単行本として刊行され、1989年5月15日に文庫版が発売されました。さらに、2009年に新装版として刊行された際には、タイトルが『卒業』に改題されています。
2013年11月にはオリコン“本”ランキング文庫部門で累積売上が100.1万部を記録し、東野圭吾作品として6作目の文庫100万部突破を達成。これにより、本作は加賀恭一郎シリーズの中でも高い人気を誇る作品となっています。
『卒業』の あらすじ
卒業を間近に控えた大学4年の秋、女子大生・牧村祥子が下宿先のアパートで亡くなるという事件が発生。部屋は密室状態で、左手首の傷から出血多量による死亡と判明したことから、自殺と判断される。しかし、祥子の親友である相原沙都子や加賀恭一郎を含む仲間たちは、自殺の原因が思い当たらず、祥子の日記を手掛かりに真相を探り始める。
捜査が進む中で、事件関係者の証言にはいくつかの矛盾が見つかり、自殺だけでなく他殺の可能性も浮上。加賀は事件に疑念を抱き、仲間たちとともに祥子の死の謎を追い続ける。
そんな中、仲間内で再び悲劇が起こる。茶道の恩師・南沢雅子の誕生日に開かれた「雪月花之式」の最中、もう一人の仲間が毒物で命を落としてしまう。次々と起こる不可解な事件の背後には何が隠されているのか?
刑事になる前の加賀恭一郎が、仲間たちとの絆や複雑な人間関係を紐解きながら、巧妙に仕組まれたトリックと驚愕の真実に迫る――加賀恭一郎シリーズの原点となる青春ミステリー。
コメント