『パラドックス13』とは
『パラドックス13』は、東野圭吾によるSFミステリー小説。2007年から2008年にかけて『サンデー毎日』に連載され、2009年に毎日新聞社より単行本として刊行されました。2014年には講談社文庫版が発売されています。物語は、原因不明の現象「P-13」が発生し、人類が直面する極限状況を描きます。
日本時間の3月13日午後1時13分13秒から13秒間、ブラックホールの影響で何かが起こることが日米共同研究によって予測されました。しかし、その具体的な内容は不明。政府は混乱を避けるため、この現象を極秘に扱います。刑事・久我冬樹は、兄・誠哉とともに強盗犯を追う最中にP-13現象の瞬間を迎え、銃撃を受けた後、意識を取り戻すと、無人の東京にいました。
生き残ったのは冬樹を含む13人だけ。この世界は「パラドックス」の辻褄を合わせるために生まれたもので、彼らは現象発生時に死亡していたことが判明します。さらなるP-13現象が迫る中、世界は修正され、13人の運命は試されます。倫理や常識を超えた選択を迫られる彼らの姿が、圧倒的な緊張感とともに描かれます。
『パラドックス13』の あらすじ
3月13日13時13分13秒、P-13現象という未曾有の事態が発生する。政府は混乱を恐れ、現象の詳細を公表せずにその時を迎えました。その瞬間、刑事の久我冬樹と兄の誠哉は、強盗犯を追跡中に銃撃されます。目を覚ました冬樹が目にしたのは、無人の東京の風景でした。探索を続けた冬樹は、同様の現象に巻き込まれた12人と出会います。その中には死亡したはずの兄・誠哉も含まれていました。
この13人は、様々な天変地異や疫病に襲われながら、なぜ自分たちだけが生き残ったのかを探ります。その過程で、この世界はパラドックスにより作り出された別世界であり、13人は本来その13秒間に命を落とした死者であるという衝撃の事実を知ることになります。この世界は辻褄を合わせるために、彼らを再び亡き者にしようと動き出します。
さらに、元の世界に戻れるかもしれない2度目のP-13現象が迫ります。極限状況下で試される人間の絆や生存本能、そして命の重さを描いた壮大な物語がここに展開されます。
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