東野圭吾 著 『マスカレード・イヴ』って どんな本? マスカレード シリーズ 2作目!

東野圭吾『マスカレード・イヴ』 小説

『マスカレード・イブ』は、東野圭吾による連作推理小説で、2014年8月25日に集英社文庫から刊行されました。前作『マスカレード・ホテル』の前日譚として位置付けられ、短編集という形で「マスカレード」シリーズ第2作目となります。本作には2013年に『小説すばる』で発表された2編、2014年に発表された1編、そして書き下ろしの「マスカレード・イブ」を加えた全4編が収録されています。

新田浩介と山岸尚美というシリーズを通じての主人公コンビが出会う前の物語が中心となっており、それぞれが新人時代に直面した事件やエピソードが明かされることで、前作での言動や場面がより深く理解できる構成になっています。さらに、本作は東野圭吾の提案によって単行本化を経ず、いきなり文庫本として刊行される異例の形をとりました。発売後わずか1か月半で発行部数100万部を記録し、多くの読者を魅了しました。

本作では「仮面」というキーワードを通じて、人々が抱える秘密や真実が次々に暴かれます。それぞれの事件に隠された人間模様と、ホテルや警察という舞台を巧みに織り交ぜたストーリーが、読者を引き込むこと間違いなしです。

東野圭吾『マスカレード・イヴ』

『マスカレード・イヴ』

(集英社文庫)

2014年 8月 発売

それぞれの仮面

ホテル・コルテシア東京に勤務して4年目のフロントクラーク・山岸尚美のもとに、かつての恋人・宮原隆司が客として訪れる。宮原は著名人のマネージャーとして来館していたが、夜になると尚美に電話をかけ、「一緒にいる女性が部屋から突然姿を消し、自殺をほのめかしていた」と相談を持ちかける。女性は宮原の愛人であり、尚美は内心呆れながらも、他の客や関係者に気づかれないよう女性を捜索する。やがて、この事件の背後に隠された驚くべき真相が明らかになる。


ルーキー登場

捜査一課に配属されたばかりの新人刑事・新田浩介は、ホワイトデーの夜に発生した実業家・田所昇一の殺害事件に挑む。昇一はジョギング中に何者かに襲われ命を落とすが、その背景に怨恨や金銭トラブルは見当たらない。新田は周囲の証言を頼りに捜査を進め、ある決定的な矛盾に気づく。そして事件の動機が意外な形で浮かび上がる中、ある人物が巧みに隠していた「仮面」の下の素顔に迫ることとなる。


仮面と覆面

コルテシア東京にチェックインしたオタク5人組の目的は、美貌で知られる覆面作家・タチバナサクラに会うことだった。彼らはタチバナがこのホテルに宿泊していると突き止め、部屋を特定しようとする。しかしタチバナの正体は、中年男性の玉村薫だった。タチバナの担当編集者・望月から事情を聞いた尚美は、彼らの目的を阻止するため奔走するが、玉村が密かにホテルを出入りしていることに不信感を抱く。果たしてその理由とは?


マスカレード・イブ

東京で大学教授・岡島孝雄が刺殺される事件が発生。捜査一課の新田浩介は所轄の女性警官・穂積理沙とともに、共同研究者の南原准教授を調査する。南原は大阪のホテルで不倫相手と密会していたとアリバイを主張するが、そのホテル名を伏せ続ける。殺人の容疑をかけられても守りたい秘密とは何か。新田の追及によって南原が白状したホテルの名前、それはコルテシア大阪だった。新田と尚美が間接的に事件で交錯し、二人の運命が動き始める。

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