東野圭吾　著　『魔女と過ごした七日間』って　どんな本？　ラプラスの魔女シリーズ ３作目！

『魔女と過ごした七日間』とは

『魔女と過ごした七日間』は、東野圭吾による長編小説で、記念すべき著作100作目にあたる作品です。本書は『ラプラスの魔女』に続くシリーズ最新作であり、累計200万部を超える大ヒット作の続編として2023年3月17日に株式会社KADOKAWAから発売されました。不思議な力を持つ女性・羽原円華が再び登場し、父を失った少年と共に新たな謎に挑む物語が描かれています。

物語は、元刑事で見当たり捜査のスペシャリストだった父親が殺された少年・月沢陸真が、事件の真相を追い求めるところから始まります。警察の捜査が難航する中、陸真は不思議な力を持つ女性・羽原円華と再会。円華の「物理現象を読む能力」に導かれ、陸真は父の死の謎を追いながら成長していきます。警察ミステリや冒険要素、科学的空想が絶妙に絡み合い、圧巻の物語が展開します。

東野圭吾が得意とするミステリーに加え、心温まる人間ドラマと科学的テーマが融合した本作は、東野ファンのみならず、初めて彼の作品に触れる読者にも楽しめる内容となっています。

『魔女と過ごした七日間』の　あらすじ

中学3年生の月沢陸真は、日課となっている図書館通いの帰り道、突然の雨に見舞われる。傘を持っていなかった陸真に声をかけたのは、不思議な雰囲気を漂わせた女性・羽原円華だった。彼女は雨が止む時間を分単位で予言し、その正確さに驚いた陸真は彼女への興味を抱く。数日後、陸真の父で元刑事の月沢克司が多摩川で遺体となって発見される。克司は見当たり捜査のスペシャリストとして活躍したが、AI監視システムの導入で職を失い、現在は警備会社に勤めていた。

警察は事件性を疑い捜査を進めるが、犯行現場を特定することすら難航する。陸真は父の遺品を整理する中で、見慣れない書類や名前に気づく。「永江照菜」と記された書類と「開明大学病院」に関する情報は何を意味しているのか。友人の純也とともに手がかりを追う陸真は、再び円華と出会うことになる。彼女は事件現場を特定し、陸真に「あたしなりに事件を推理する。ついてきて」と語りかける。

円華の不思議な力に導かれながら、陸真は父の死の真相を追う旅に出る。調査が進むにつれ、父が追っていた「永江一族」の秘密や、社会の闇に隠された陰謀が次第に明らかになる。同時に、円華自身が抱える謎や彼女の過去も浮かび上がっていく。陸真と円華は、それぞれの抱える痛みや葛藤を共有しながら、事件の核心に迫っていく。

愛する人を守るためにはどこまでの犠牲を払えるのか。事件解決への道のりは陸真にとって、自分自身の成長と新たな価値観を見つける旅となる。そして、円華との特別な七日間は、陸真の人生に深く刻まれるものとなるのだった。