『回廊亭殺人事件』とは
『回廊亭殺人事件』は、東野圭吾による長編推理小説。1991年に光文社から単行本として刊行され、1994年に文庫化された際に『回廊亭の殺人』から改題された。
物語の舞台は、一ヶ原家が所有する旅館「回廊亭」。ここでは半年前に心中事件が発生し、火災によって旅館の一部が焼失するという出来事があった。そんな曰くつきの旅館で、莫大な財産を遺した資産家・一ヶ原高顕の遺言状が公開されることになり、一族や関係者が集められる。
その場には、「本間菊代」と名乗る老婆も招かれていたが、彼女の正体は高顕の元秘書である桐生枝梨子。彼女は変装して潜入し、恋人を奪った犯人を見つけ出し復讐を果たすため、事件の真相に迫る。
新たな殺人事件が発生し、次第に明かされる衝撃の事実――。心理戦と推理が交錯する中、復讐者の視点で描かれる緊張感あふれる物語が展開される。
2011年には、常盤貴子主演で「金曜プレステージ」枠にてテレビドラマ化され、視聴者に大きな衝撃を与えた。
『回廊亭殺人事件』の あらすじ
一代で莫大な財産を築いた資産家・一ヶ原高顕が病死した。彼には妻子がおらず、遺産相続の行方が注目されていた。その遺言状が公開される場として選ばれたのは、一ヶ原家が所有する「回廊亭」という旅館。この旅館は、半年前に心中事件が発生し火事も起きた、曰くつきの場所だった。
遺言状の公開に招かれたのは、一ヶ原家の一族と「本間菊代」という老婆。この菊代の正体は、実は一ヶ原高顕の元秘書である桐生枝梨子という若い女性だった。枝梨子は変装して回廊亭に潜入していたのだ。
枝梨子には目的があった。それは、半年前の心中事件の真相を暴き、恋人・里中二郎を殺した犯人を突き止めることだった。この事件では、枝梨子も二郎と共に焼け跡から発見され、無理心中を図ったとされた。しかし、枝梨子だけは二郎が殺害されたと確信していた。
犯人への復讐を果たすべく枝梨子は行動を開始するが、その矢先、宿泊者の一人が何者かに殺害される。犯人は一族の中にいるのか? それとも別の誰かなのか? 新たな殺人が起きる中、事件の真相に迫る枝梨子は、次第に驚くべき事実に直面する。
果たして、半年前の事件に隠された秘密とは何だったのか。そして、枝梨子が復讐を果たそうとする“真の敵”は誰なのか――。極限状態で繰り広げられる心理戦と推理の応酬。真相が明かされた時、物語は衝撃の結末を迎える。
復讐者の視点から描かれる、緊張感溢れる長編ミステリー。
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