Webサイトやデザイン素材でよく見かける「.png」という拡張子。
実は、背景を透明にできる便利な画像形式なんです。
でも、「PNGってどんなときに使えばいいの?」「JPGとどう違うの?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PNG形式の特徴や仕組み、JPGとの違い、メリット・デメリット、そしておすすめの使い方までをやさしく解説します。
🔸 PNG形式(拡張子)とは?
読み方と正式名称
「ピング」または「ピーエヌジー」と読みます。
正式名称は Portable Network Graphics(ポータブル・ネットワーク・グラフィックス) の略です。
いつ・誰が開発したの?
1996年、Web用途に最適化された画像形式として誕生しました。
当時、特許の問題があったGIF形式の代替として、
W3C(World Wide Web Consortium)が開発を推進しました。
簡単な仕組み(圧縮タイプ/ラスター形式)
PNGは、ラスター形式(ピクセルベースの画像)で、可逆圧縮という方式を採用しています。
これは、画像の情報を失わずに圧縮できるのが大きな特徴です。
可逆圧縮ってどういう意味?
PNGは「可逆圧縮(かぎゃくあっしゅく)」という方法で画像のサイズを小さくします。
この圧縮方法では、保存前と保存後の画像がまったく同じ状態で保たれるので、何度編集・保存しても画質が劣化しません。
たとえるなら、「中身を一時的に圧縮して箱にしまうけど、開ければ元どおり!」というイメージです。
これにより、繊細な画像編集や保存にとても向いていますが、JPGのような「非可逆圧縮」と比べると、ファイルサイズがやや大きくなる傾向があります。
透過処理ってなに?アルファチャンネルの仕組み
PNG形式の最大の特徴のひとつが、背景を透明にできること。
この透過処理を可能にしているのが「アルファチャンネル」という仕組みです。
アルファチャンネルは、色の情報に加えて、透明度(透過率)の情報を持つことができます。
これにより、完全な透明だけでなく、半透明のグラデーション表現も可能です。
たとえば──
- ロゴの背景を透明にして、どんなデザインにもなじませる
- スタンプや吹き出しを画像の上に重ねる
- UI素材として、背景が透けるボタンや影を表現する
といった使い方ができるのがPNG形式の魅力です。
🔸 PNGのメリットとデメリット
メリット
✅ 画質が劣化しない
何度保存しても画像が劣化しないので、編集に強い!
✅ 背景透過ができる
アルファチャンネルで透明表現が可能。ロゴやUI素材に最適。
✅ Web表示の安定性が高い
多くのブラウザ・アプリがPNGに対応していて安心。
デメリット
⚠ ファイルサイズが大きくなりがち
非可逆圧縮のJPGに比べると、容量が大きくなりやすいです。
⚠ 写真保存にはやや不向き
高画質ですが、写真をたくさん保存する用途では重く感じることも。
⚠ 古い環境では透過が正しく表示されないことも
特に古いソフトや一部の印刷環境では、アルファチャンネルが対応していない場合があります。
🔸 PNG形式はこんなときに使おう!【おすすめ用途】
✔ 背景を透明にしたい画像に
ロゴ、スタンプ、吹き出し、ボタンなどにぴったり!
✔ くっきりしたイラストや図解に
線や文字がきれいに表示されます。
✔ WebサイトやアプリのUIパーツに
背景透過できるので、レイアウトに自由度が出せます。
⚠ 写真の保存やSNS投稿の画像には、軽量なJPGが向いています。
🔸 PNGと他の拡張子の違いは?【比較でわかる特徴】
PNGとJPGの違い
項目 | PNG | JPG |
---|---|---|
圧縮方式 | 可逆圧縮(劣化しない) | 非可逆圧縮(劣化あり) |
背景透過 | ✅ 対応 | ❌ 非対応 |
ファイルサイズ | やや大きめ | 軽くて扱いやすい |
写真向き | △(高画質だが重くなる) | ◎(標準的な用途に最適) |
イラスト・図解向き | ◎ シャープに表現可能 | △ 滲みやブロック感が出る場合あり |
🔸 知っておきたいPNGの注意点・豆知識
背景透過はどうやって作るの?編集ソフトが必要です
「PNGは透過できる!」というのは事実ですが、ただPNGで保存するだけでは背景は透明になりません。
背景透過の画像を作るには、画像編集ソフトを使って「背景を削除」する処理が必要です。
🧰 よく使われるツール:
- Photoshop(プロ向け)
- Canva、Photopea(ブラウザで手軽に使える)
- GIMP、Krita(無料の高機能ソフト)
- スマホアプリ:アイビスペイント、メディバンペイント など
📌 ワンポイント:
- カメラで撮った画像やスクリーンショットをPNGにしても、背景は白いままです。
- 編集ソフトで背景を消してからPNGで保存することで、初めて透過PNGになります。
🔸 まとめ|PNGはこんな人・用途におすすめ!
PNGは、「画質を保ちたい」「背景を透過したい」というニーズにぴったりの画像形式です。
Web素材、ロゴ、アイコン、UIパーツなど、デザイン系の用途で力を発揮します。
ファイルサイズは少し大きくなりますが、劣化しない安心感と自由度の高さは魅力。
迷ったら、編集用や透過画像はPNG、写真やSNS用はJPG、という使い分けがオススメです!
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