『放課後』とは
名門女子高を舞台に、教師・前島が校内で起きた事件の真相に迫る姿を描いた青春推理小説。東野圭吾の作家デビュー作であり、第31回江戸川乱歩賞を受賞した本作は、発表から30年以上経った現在も高い評価を受けています。2015年にはマイナビ会員を対象とした「好きな江戸川乱歩賞作品」アンケートで1位を獲得するなど、根強い人気を誇っています。
作中には、著者が大学時代にキャプテンを務めていたアーチェリーが取り上げられている。さらに、タイトルは東野圭吾が金沢を旅行した際、駅近くの喫茶店の名前に着想を得て名付けられました。
また、1986年には山下真司主演で『木曜ドラマストリート』枠にてテレビドラマ化され、話題を呼びました。事件と人間関係が絡み合う巧妙なストーリーと意外性のある結末で、多くの読者を魅了した本格ミステリーの傑作です。
『放課後』の あらすじ
県下有数の進学率を誇る「私立清花女子高等学校」。この学校で数学教師を務め、アーチェリー部の顧問でもある前島は、何者かに命を狙われているという不安を抱いていた。しかし、学校のイメージダウンを恐れる校長の指示で、警察への相談は控えていた。
そんな中、学校内で不可解な事件が発生する。ある日、更衣室である人物が死亡しているのが発見される。現場は密室状態であり、学校側は自殺と判断したが、警察は他殺の可能性も視野に入れ捜査を開始。前島は事件が自分を狙った出来事と関連しているのではないかと考え、独自に真相を探ろうとする。
前島は同僚教師に疑いを向けるが、警察は別の人物を第一容疑者として捜査を進める。しかし、その容疑者にはアリバイがあることが明らかとなり、事件の謎はさらに深まる。
やがて事件は迷宮入りしかけるが、前島の不安は消えない。そんな中、体育祭で第二の殺人事件が発生し、事態はさらに緊迫する。今度の事件は明らかに前島を狙ったものだった。
なぜ命が狙われ、事件が連鎖しているのか。すべての謎が解き明かされたとき、前島は驚愕の真実に直面することになる。緻密なトリックと緊迫感が織り成す、傑作本格ミステリー。
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