Excelの「$」記号とは？
Excelを使っていると、セルの参照に「$」記号が付いているのを見かけることがあります。例えば「$A$1」や「B$2」のような形です。この「$」記号は、絶対参照や複合参照を指定するために使われます。
今回は、「$」の意味や使い方について分かりやすく解説していきます。
「$」記号の基本
Excelのセル参照には、以下の3つの種類があります。
- 相対参照（例：A1）
- 絶対参照（例：$A$1）
- 複合参照（例：A$1, $A1）
それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
相対参照（A1）
相対参照は、セルをコピーしたときに自動的に参照先が変わる参照方法です。
- B2セルに
=A1と入力し、それをB3にコピーすると、B3の数式は=A2になります。 - つまり、コピー先の位置に応じて参照先が変化します。
絶対参照（$A）
絶対参照は、コピーしても参照先が変わらないようにする方法です。
- B2セルに
=$A$1と入力し、それをB3にコピーしても、B3の数式は=$A$1のままです。 - 「$」をつけることで、参照先が固定されます。
複合参照（A / $A1）
複合参照は、行または列のどちらかを固定する参照方法です。
列を固定（$A1）
- 列「A」は固定されるが、行番号は変わる。
- B2に
=$A1を入力し、それをB3にコピーすると、B3の数式は=$A2になります。
行を固定（A$1）
- 行「1」は固定されるが、列は変わる。
- B2に
=A$1を入力し、それをC2にコピーすると、C2の数式は=B$1になります。
「$」記号の活用例
「$」記号を使うと、Excelの計算式をより柔軟に活用できます。ここでは、実際の使用例を紹介します。
相対参照の活用例
簡単な足し算で数式を使用していきます。
D3セル に B3セル と C3セル を足す数式を入力します。
enterキー を押すと数式の処理結果が表示されます。
110と表示されます。
そして、D３セルをコピーしてＤ４～Ｄ７まで貼り付けます。
数式を入力する際は、対象のセルをクリックするだけで入力できます。
コピペすると、こうなります。
上の画像のように、コピペすると勝手にセル番地が変わってくれます。
連続して同じ計算結果を求めたい時にとても便利です。
ですが注意も必要です。
例えば、まったく違う場所に貼り付けると・・・。
このように、結果を求めたいセルを軸にしてセル番地が変わるので、
違う場所で同じ数式を使用したい場合は、修正するのを忘れないようにしましょう。
これが相対参照です。
絶対参照の活用例
簡単な足し算で数式を使用していきます。
B３セルを固定して、C列の各セルの値を足した合計を求める数式を入力します。
固定したいセルの頭に＄を付けます。
Bの列を固定する → ＄B
3の行を固定する → ＄3
この結果、B３のセルが固定されました → ＄B＄3
それではD３セルをコピーして、Ｄ４～Ｄ７に貼り付けましょう。
＄は手入力しなくてもF4キーを押せば＄が付きます。
参照したいセルを選択してF4キーを押すと＄が付く。
押すたびに＄の位置が変わります。便利♪
コピペすると、こうなります。
コピペしてもB３のセルは固定されています。
集計する上で動かしたくない値がある時に使用する機能です。
これを絶対参照といいます。
複合参照の活用例
複合参照を説明する際によく使われる例が九九の表です。
ここでも九九の表を例にしたいと思います。
九九の表を作成して、C３セルに次の数式を入れます。
＝ C$2 * ＄B3
なぜ＄の位置がこうなるかを説明すると、
＝を入力。
かけたい数のはじまりの位置、C２のセルを選択。
かけたい数、２の行を動かしたくないので、２を固定する → Ｃ＄２
２の行さえ固定していれば、九九の表の中のどこに移動しても２は変わらない。
Ｄの列に移動するとＤ＄２になり、Ｊの列に移動するとＪ＄２になる。
＋を入力。
かけたい数のはじまりの位置、Ｂ３のセルを選択。
かけたい数、Ｂの列を動かしたくないので、Ｂを固定する → ＄Ｂ３
Ｂの列さえ固定していれば、九九の表の中のどこに移動してもＢは変わらない。
５の行に移動すると＄Ｂ５になり、８の行に移動すると＄Ｂ８になる。
enterキー を押して数式の処理結果を表示する。
結果として、九九の表の中のどこに移動しても
２の行の各数値 × Ｂの列の各数値 となる。
Ｃ３のセルをコピーして、Ｃ３からＫ11まで範囲選択して貼り付ける。
アッとゆう間に完成です♪
まとめ
相対参照・絶対参照・複合参照は、Excelで効率的に作業を進めるために欠かせない知識です。
相対参照はコピー先で参照セルが自動で変わり、
絶対参照は特定のセルを固定、
複合参照は行または列を固定します。
これらを使い分けることで、計算ミスを防ぎつつ、作業を大幅に効率化できます。
ぜひ場面に応じて適切な参照方法を活用し、Excelスキルをさらに向上させましょう。
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