「.tar」や「.tar.gz」といった拡張子のファイルを見かけたことはありませんか?
これは、主にLinuxやUNIX系のシステムで使われている「TAR(ター)」というアーカイブ形式のファイルです。
でも、「TARって何?」「ZIPや7Zとはどう違うの?」と聞かれると、よくわからないという方も多いかもしれません。
この記事では、TAR形式の特徴・仕組み・メリットとデメリット、そして使いどころまでをわかりやすく解説します。
プログラミングやサーバー関連の作業をする方には必須の知識です!
🔸 TAR形式とは?
読み方と正式名称
「ター」と読みます。
正式には「TAR:Tape Archive(テープアーカイブ)」の略で、もともとはテープドライブにデータをまとめて保存するために作られた形式です。
いつ・誰が開発したの?
TARは1970年代後半、UNIXシステムのために開発された歴史あるアーカイブ形式です。
現在もLinux、UNIX、macOSなど多くの環境で使われており、圧縮というより“まとめる”ことが目的の形式です。
簡単な仕組み(圧縮タイプ/アーカイブ形式)
TAR形式は、ファイルやフォルダを1つのファイルに“まとめる”だけで、圧縮そのものは行いません。
そのため、よく使われるのが「TAR + 圧縮形式」の組み合わせ。
.tar.gz
(TARでまとめて、Gzipで圧縮).tar.bz2
(TARでまとめて、Bzip2で圧縮)
このように、TARは「アーカイブ専用の形式」として、他の圧縮ツールと併用されます。
アーカイブ形式ってどういう意味?
TARは、「たくさんのファイルを1つに束ねる」ための形式です。
たとえるなら、いくつもの書類をひとつの封筒にまとめるようなもの。
封筒(TAR)にまとめてから、さらに圧縮袋(GZなど)で小さくするのが定番です。
🔸 TARのメリットとデメリット
メリット
✅ 複数ファイルを1つにまとめられる
フォルダ構造やファイルパーミッションを保ったまま保存できるのが大きな利点。
✅ LinuxやUNIX環境で標準的に使える
サーバー管理やパッケージ配布で広く採用されています。
✅ 圧縮形式を自由に組み合わせられる
Gzip・Bzip2・XZなど、ニーズに応じて柔軟に使い分け可能です。
デメリット
⚠ 圧縮機能がない(単体では)
TAR自体にはサイズを小さくする力がありません。別途圧縮が必要です。
⚠ Windowsでは扱いづらい
標準では展開できず、7-Zipなどの専用ソフトが必要です。
⚠ 拡張子が複雑になることも
.tar.gz
や .tar.bz2
など、初見ではわかりにくい拡張子になる場合があります。
🔸 TAR形式はこんなときに使おう!【おすすめ用途】
✔ Linuxサーバーでファイルをまとめたいときに
権限やディレクトリ構造もそのまま保持できるので安心。
✔ ソースコードや設定ファイルの配布に
複数のファイルを効率よくひとつにまとめられます。
✔ 他の圧縮形式と組み合わせて使いたいときに
gzipやxzなど、ニーズに応じた圧縮方法が選べます。
⚠ 単体での圧縮力はないため、ZIPや7Zを使ったほうが便利な場面もあります。
🔸 TARと他の拡張子の違いは?【比較でわかる特徴】
項目 | TAR | ZIP | 7Z |
---|---|---|---|
圧縮機能 | ❌ なし(アーカイブ専用) | ◎ あり(可逆圧縮) | ◎ 非常に高圧縮 |
複数ファイル対応 | ◎ 可能(構造も保持) | ◎ 可能 | ◎ 可能 |
対応アプリ | △ Windows非対応 | ◎ 標準対応 | △ 専用ソフト必要 |
セキュリティ機能 | ❌ なし | △ パスワード対応 | ◎ AES暗号対応 |
主な用途 | Linux/UNIXのパッケージ化 | 一般的なデータ圧縮 | 容量重視・セキュリティ重視 |
🔸 知っておきたいTARの注意点・豆知識
🛠 Windowsで扱うには7-Zipなどが必要
拡張子が .tar.gz
や .tar.bz2
の場合も、7-Zipで問題なく展開できます。
🧩 組み合わせ次第でファイル名が変化
例:example.tar.gz
→ Gzip圧縮
example.tar.xz
→ XZ圧縮(より高圧縮)
📦 アーカイブ作成時はフォルダ構造ごと保存可能
Linuxではtar -cvf
、tar -xvf
コマンドがよく使われます。
🔍 TARボール(tarball)って何?
.tarまたは.tar.gz形式のことを、俗に「TARボール」と呼びます。
🔍ポイント
TARは「まとめる専用」の形式。圧縮にはgzipやxzとの組み合わせが基本です!
🔸 まとめ|TARはこんな人・用途におすすめ!
TARは、「LinuxやUNIXでファイル管理をしたい」「フォルダ構造や権限情報を保ったまままとめたい」人にぴったりの形式です。
圧縮するには別形式と組み合わせる必要がありますが、自由度が高く実用的な“下地”として長年活躍してきた実績があります。
ZIPや7Zとは違う役割を持つ形式として、知っておくととても役立ちます!
コメント