ネットから大きなファイルをダウンロードしたとき、「.rar」という拡張子のファイルを見たことはありませんか?
これは、ZIPよりも高い圧縮率を誇る圧縮形式「RAR(ラール)」を表しています。
でも、「RARって何?」「ZIPと何が違うの?」と聞かれると、ちょっと自信がない…という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、RAR形式の特徴・仕組み・メリットとデメリット、そして使いどころまでをやさしく解説します。
ファイルサイズを小さくしたい、パスワード付きで安全に送信したい、という方に役立つ内容です!
🔸 RAR形式とは?
読み方と正式名称
「ラール」と読みます。
正式名称は「RARファイル形式(Roshal Archive)」です。
開発者の名前「Eugene Roshal(ユージン・ロシャール)」に由来しています。
いつ・誰が開発したの?
RAR形式は、1993年にロシアのソフト開発者ユージン・ロシャール氏によって設計されました。
彼の兄であるアレクサンダー・ロシャールが販売権を持ち、WinRARという圧縮・解凍ソフトを通じて世界的に普及しました。
簡単な仕組み(圧縮タイプ/アーカイブ形式)
RARは、可逆圧縮によってファイルサイズを小さくします。
これは「元のデータを完全に復元できる」圧縮方式で、ZIPと同様に内容が劣化しません。
また、複数ファイルを1つにまとめるアーカイブ形式としても機能し、ZIPより高機能・高圧縮なのが特徴です。
可逆圧縮ってどういう意味?
RARは、可逆圧縮(かぎゃくあっしゅく)という方式を使って、データ容量を効率的に減らします。
一度圧縮しても、解凍すれば元のファイルとまったく同じ状態に戻ります。
たとえるなら、「真空パックにした荷物を取り出して元通りに広げる」ようなイメージです。
🔸 RARのメリットとデメリット
メリット
✅ 圧縮率が高い!
ZIPよりも高い圧縮効率で、ファイルサイズをさらに小さくできます。
✅ 強力な暗号化に対応
AES-256ビット暗号によるパスワード保護が可能。セキュリティ重視の送信にも安心。
✅ 分割圧縮ができる
大きなファイルを複数のRARファイル(パート1, 2, 3…)に分けて扱えます。
デメリット
⚠ 標準では開けない場合がある
ZIPと違い、WindowsやMacにはRARの解凍機能が標準搭載されていません。WinRARなど専用ソフトが必要です。
⚠ 形式が独自仕様
開発元のライセンス制限があるため、すべてのアプリで扱えるわけではありません。
⚠ 一部のセキュリティソフトで誤検出されやすいことも
圧縮効率が高いため、ウイルスやマルウェアの隠れ場所になることもあり、慎重な扱いが求められます。
🔸 RAR形式はこんなときに使おう!【おすすめ用途】
✔ 容量を極力抑えたいときに
高圧縮率だから、大容量データも軽量化可能。
✔ パスワード付きで安全に送りたいときに
AES暗号化で、機密性の高いデータも保護できます。
✔ ファイルを分割して送りたいときに
メール添付の上限を超えるようなファイルも、分割RARなら柔軟に対応可能。
⚠ 一般的な受け手にはZIPのほうが親切です。RARは相手が対応ソフトを持っている場合に。
🔸 RARと他の拡張子の違いは?【比較でわかる特徴】
項目 | ZIP | RAR | 7Z |
---|---|---|---|
圧縮方式 | 可逆(画質・内容そのまま) | 可逆(高圧縮) | 可逆(非常に高圧縮) |
パスワード保護 | △ 簡易的 | ◎ AES-256対応 | ◎ AES-256対応 |
対応アプリ | ◎ 標準機能あり | △ 専用ソフトが必要 | △ 専用ソフトが必要 |
圧縮率 | △ 普通 | ◎ 高い | ◎ 非常に高い |
分割圧縮 | △ 一部対応 | ◎ 標準対応 | ◎ 標準対応 |
🔸 知っておきたいRARの注意点・豆知識
🧩 RARファイルはWinRARなどで開く
公式サイトからWinRARをインストールすれば、解凍・圧縮ともに簡単にできます。7-Zipでも一部RARを解凍可能です(圧縮は不可)。
🔐 パスワード忘れに注意!
暗号化されたRARはパスワードがないと絶対に開けません。メモしておくか、信頼できるパスワード管理ツールを利用しましょう。
🦠 不審なRARファイルにはウイルスチェックを!
RAR形式はウイルスを隠すのにも使われることがあります。開く前にウイルス対策ソフトでスキャンするのが安心です。
📂 ファイル分割されている場合は全部必要!
拡張子が「.part1.rar」「.part2.rar」など分かれている場合、すべてのファイルが揃っていないと解凍できません。
🔍ポイント
RAR形式は“高圧縮&高セキュリティ”重視の人におすすめ。
ただし、使う側も受け取る側も専用ソフトの用意を忘れずに!
🔸 まとめ|RARはこんな人・用途におすすめ!
RARは、「容量をとにかく減らしたい」「パスワード付きで安心して送りたい」人に最適な圧縮形式です。
ZIPよりも一歩進んだ使い方ができる一方で、解凍には専用ソフトが必要というハードルもあります。
圧縮効率・暗号化・分割機能を活かせる場面では、RARがとても頼れる存在になります。
コメント