CABとは?Windows標準の圧縮形式|メリット・デメリットと使い方をやさしく解説

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ファイル名に「.cab」とついた圧縮ファイルを見かけたことはありませんか?

これは、Windows OSで使われる「CAB(キャブ)」という圧縮形式のファイルです。

でも、「CABって何?ZIPやRARとどう違うの?」「今でも使われてるの?」という疑問を持つ方も多いかもしれません。

この記事では、CAB形式の仕組みや特徴、メリット・デメリット、そしてどんなときに使われるのかを初心者にもわかりやすく解説します。


読み方と正式名称

「キャブ」と読みます。正式名称は「CAB:Cabinet(キャビネット)」です。


いつ・誰が開発したの?

CAB形式は、1990年代にマイクロソフトによって開発されました。

Windows 95以降、インストール用ファイルやドライバの配布などに多用された形式です。


簡単な仕組み(圧縮タイプ/アーカイブ形式)

CAB形式は、可逆圧縮(ロスレス圧縮)で、複数ファイルを1つのアーカイブにまとめられます。

圧縮方式には MSZIP/Quantum/LZX などが使われており、インストーラに最適化された構造になっています。


メリット

✅ 複数ファイルを1つにまとめられる
 インストーラ用に最適で、必要なファイルを整理して格納できます。

✅ Windowsでの互換性が高い
 Windows標準の展開ツール(expandコマンド)などで扱えます。

✅ 高速な展開が可能
 LZX圧縮では圧縮率も高く、セットアップに適した形式です。


デメリット

⚠ 汎用性が低い
 ZIPや7Zのように一般用途ではほとんど使われません。

⚠ 暗号化・パスワード機能がない
 セキュリティ目的には不向きです。

⚠ MacやLinuxでは標準サポートされていない
 専用のソフトが必要になります。


✔ Windows用のインストーラ・ドライバ配布に
 セットアップファイルを整理して提供したいときに便利。

✔ 古いWindows環境との互換性を重視したいときに
 Windows XP〜10世代での対応性が強い形式です。

✔ ネイティブ展開が必要なときに
 コマンドラインやスクリプトでの展開処理に向いています。


項目CABZIPRAR
圧縮機能◎ 可逆圧縮(LZX など)◎ 可逆圧縮◎ 高圧縮+分割可
複数ファイル対応◎ 可能◎ 可能◎ 可能
対応アプリ△ Windows限定◎ 標準対応△ 専用ソフト必要
セキュリティ機能❌ なし△ パスワード対応◎ AES暗号対応
主な用途Windowsインストーラ用一般的な圧縮容量重視・セキュリティ重視

🛠 展開は「expand」や「extrac32」コマンドで可能
 Windowsのコマンドプロンプトで利用できるツールが標準搭載されています。

📦 セットアップパッケージの一部として使われる
 「.exe」や「.msi」形式の中にCABファイルが埋め込まれていることも。

📁 Windows Updateの一部にも使われている
 CAB形式は更新ファイルやドライバの配布に利用されるケースもあります。


CAB形式は、Windows環境でインストーラやシステムファイルを扱う人に向いた圧縮形式です。

一般のファイル圧縮には不向きですが、Windowsと深く連携して動作するため、古い環境や管理用途では今でも役立つ場面があります。

圧縮形式としての柔軟性は少ないものの、特定分野では現役のフォーマットです。


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