東野圭吾 著 『怪しい人びと』って どんな本?

東野圭吾『怪しい人びと』 小説

『怪しい人びと』は、東野圭吾による短編小説集です。1994年2月28日に光文社から単行本として刊行され、1998年6月20日に文庫化されました。その後、2020年3月12日には新装版が発売されています。

本作は全7篇から構成されており、日常に潜む違和感や謎をテーマに展開されるミステリー作品集です。東野圭吾ならではの緻密なプロットと、ユーモアや人間ドラマが絶妙に組み合わさった一冊で、意外性のある結末が読者を驚かせると同時に引き込む魅力があります。

東野圭吾『怪しい人びと』

『怪しい人びと』

(光文社文庫)

1994年 2月 発売

『怪しい人びと』は、日常に潜む不穏さや謎をテーマにした東野圭吾の短編ミステリー集。全7篇からなる物語には、それぞれ異なる人物が登場し、それぞれの視点から繰り広げられるミステリーが読者を引き込みます。


【寝ていた女】

主人公は自分の部屋を会社の同僚に貸し、小遣い稼ぎをしていた。ある朝、部屋に戻ると、見知らぬ女性がベッドで眠っているのを発見する。驚いた主人公が同僚たちに確認するも、誰もその女性のことを知らないという。では、この女性は一体誰なのか?不可解な状況が次第に明らかになる。


【もう一度コールをしてくれ】

落ちこぼれ人生を歩む芹沢は、友人ノボルの誘いで強盗計画に加担する。しかし、計画は失敗し、逃げ込んだ先で彼が対峙したのは、自分の過去と因縁のある家だった。偶然とは思えない運命的な展開が、芹沢を追い詰めていく。


【死んだら働けない】

仕事に全力を注ぐ係長・林田が、ある朝工場の休憩室で遺体となって発見される。上司として慕われていた彼の死には不審な点が多く、同僚の川島はその死の謎を追うことになる。休日にも関わらず休憩室にいた理由とは?そして、その死の背景には何が隠されているのか?


【甘いはずなのに】

交通事故で妻と娘を亡くした主人公は、新たな妻・尚美と結婚し、静かに新生活を始める。しかし、主人公の心には拭えない疑念があった。新婚旅行中にふと浮かび上がるその疑念が、物語の核心に迫っていく。


【灯台にて】

幼馴染である祐介と「僕」は、幼い頃からどこへ行くにも一緒だった。だが、大学時代に訪れた岬の灯台で、祐介との関係を一変させる出来事が起きる。そこにいた灯台守の一言が、二人の関係に隠された真実を暴き出す。


【結婚報告】

智美の元に届いた友人典子からの結婚報告。そこには、夫と共に写る典子の写真が同封されていた。しかし、写真に写る女性の顔は、智美が知る典子の顔とはまったくの別人だった。友人に連絡を取ろうとするも、繋がらない。典子に何があったのか、智美は調査を始める。


【コスタリカの雨は冷たい】

カナダで海外勤務していた主人公は帰国命令を受け、最後の思い出に妻と共にコスタリカへ旅行する。豊かな自然の中で野鳥観察を楽しむはずが、彼らは人里離れた森で強盗に襲われる。人気のない場所で待ち伏せしていた強盗たちの目的は何だったのか?その背後に潜む陰謀が明らかになる。


『怪しい人びと』は、日常の中でふとした瞬間に訪れる謎と、そこから巻き起こる人間模様を描いた短編集です。ユーモアとスリル、そして驚きの結末が読者を魅了します。

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