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監査の種類とは?|会計監査・内部監査・監査役監査をわかりやすく解説

監査の種類を説明するためのイメージイラスト 雑記

「監査」と聞くと、どこか堅くて難しい、あるいは「不正を疑うためのチェック」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし実際には、監査にはいくつかの種類があり、それぞれ目的や役割、立場が大きく異なります。

たとえば、

  • お金の流れをチェックする監査
  • 組織の内部ルールが守られているかを確認する監査
  • 経営陣の行動を第三者の立場で見守る監査

といったように、「誰が・何を・どの立場で見るか」によって監査は分かれています。

前回の記事で解説したように、監査は不正や不祥事を防ぎ、組織の信頼性を守るために欠かせない仕組みです。

では、その監査には具体的にどんな種類があり、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか。

本記事では、法人でよく登場する代表的な監査の種類について、初めての人でも理解できるよう、できるだけわかりやすく整理していきます。


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法人における監査は、目的や立場の違いから、大きく次の3つに分類されます。

  • 会計監査
  • 内部監査
  • 監査役監査(監事監査)

それぞれ名前は似ていますが、「誰が行うのか」「何をチェックするのか」「どんな役割を持つのか」はまったく異なります。

まずは、細かい違いに入る前に、それぞれの監査がどのような位置づけなのかを簡単に見てみましょう。


● 代表的な監査の分類と位置づけ

  • 会計監査
    → お金の流れや決算書が正しいかを、外部の専門家がチェックする監査
  • 内部監査
    → 業務やルールが適切に運用されているかを、組織の内部から点検する監査
  • 監査役監査(監事監査)
    → 経営陣の行動や意思決定を、独立した立場で監視する監査

このように、同じ「監査」でも視点と役割が違うことが大きなポイントです。

次のセクションからは、まず最もよく耳にする 「会計監査」 について、目的や仕組みをもう少し詳しく見ていきます。


会計監査とは、法人が作成した決算書や財務諸表が正しく作られているかを、外部の専門家がチェックする監査のことです。

お金の流れは、法人の信頼性そのものに直結します。

そのため、経営者だけの判断に任せるのではなく、第三者の目で確認する仕組みが設けられています。


● 会計監査の目的

会計監査の主な目的は、次のとおりです。

  • 決算書の内容が事実に基づいているかを確認する
  • 不正な会計処理や数字の操作を防ぐ
  • 投資家・取引先・社会に対して信頼性を確保する

つまり会計監査は、「この会社の数字は信用していいのか?」という問いに答えるための仕組みだと言えます。


● 誰が会計監査を行うのか?

会計監査を行うのは、法人の内部の人間ではなく、外部の専門家です。

具体的には、

  • 公認会計士
  • 監査法人

が担当します。

経営陣から独立した立場で監査を行うことで、身内による甘いチェックになるのを防いでいます。


● 会計監査が必要になる法人

すべての法人に会計監査が義務付けられているわけではありません。

会計監査が必要になるのは、主に次のようなケースです。

  • 上場企業
  • 一定規模以上の株式会社
  • 公益社団法人・公益財団法人
  • 学校法人 など

これらの法人は、社会的な影響が大きいため、より厳格な会計の透明性が求められます。


内部監査とは、法人の業務や組織運営が適切に行われているかを、組織の内部からチェックする監査です。

会計監査が「数字」を中心に確認するのに対し、

内部監査は、日々の業務プロセスやルールの運用状況など、実務の中身そのものに目を向ける点が特徴です。


● 内部監査の目的

内部監査の主な目的は、次のとおりです。

  • 社内ルールや規程が守られているかを確認する
  • 業務上のミスや不正が起きやすい箇所を見つける
  • 業務の効率化や改善点を洗い出す

内部監査は、不正を見つけることだけが目的ではありません。

問題が起きる前に気づき、改善につなげるという予防的な役割を持っています。


● 誰が内部監査を行うのか?

内部監査は、法人内部の人が担当します。

具体的には、

  • 内部監査室・監査部門
  • 内部監査担当者

などが設けられることが一般的です。

ただし、「内部の人が内部を監査して意味があるの?」と感じる人もいるかもしれません。

そのため、多くの法人では、

  • 経営部門から独立した部署にする
  • 社長や取締役会に直接報告する

といった形で、一定の独立性を確保する工夫がされています。


● 内部監査の特徴と位置づけ

内部監査には、次のような特徴があります。

  • 法律で必ず義務付けられているわけではない
  • 企業規模が大きいほど重要性が高まる
  • ガバナンスやリスク管理の強化に直結する

つまり内部監査は、「守り」と「改善」を同時に担う監査だと言えます。


監査役監査(一般社団法人・公益法人などでは監事監査とも呼ばれます)は、経営陣の職務執行が適切に行われているかを監視・チェックする監査です。

会計監査や内部監査が、「業務」や「数字」に焦点を当てるのに対し、監査役監査は、経営そのものを対象とする点が大きな特徴です。


● 監査役・監事の役割

監査役(監事)は、経営から一定の距離を保った立場で、次のような点を確認します。

  • 取締役の職務執行が法令や定款に違反していないか
  • 経営判断に不正や重大な問題がないか
  • 組織全体の運営が健全に行われているか

単なる「チェック係」ではなく、経営のブレーキ役としての重要な役割を担っています。


● どのような法人に置かれるのか?

監査役・監事は、さまざまな法人で設置されます。

  • 株式会社(監査役設置会社)
  • 一般社団法人・一般財団法人
  • 公益社団法人・公益財団法人
  • 学校法人・社会福祉法人 など

特に、公益性の高い法人や一定規模以上の組織では、監事の設置が義務とされているケースも多く見られます。


● 会計監査・内部監査との違い

監査役監査の特徴は、会計監査や内部監査と重なりつつも、役割が異なる点にあります。

  • 会計監査
    → 数字や財務の正確性をチェック
  • 内部監査
    → 業務や内部ルールの運用状況を点検
  • 監査役監査
    → 経営陣の行動や意思決定を監視

それぞれが役割分担することで、法人全体のガバナンスが成り立っています。


ここまで紹介した「会計監査」「内部監査」「監査役監査」以外にも、状況や目的に応じて行われる監査があります。

いずれも常時行われるものではありませんが、特定の場面では重要な役割を果たします。


● 行政監査・外部監査

行政監査・外部監査とは、国や自治体、または第三者機関が行う監査です。

主に次のようなケースで実施されます。

  • 補助金・助成金を受けている場合
  • 公的資金を使った事業を行っている場合
  • 行政から業務を委託されている場合

これらの監査では、

  • 資金が適正に使われているか
  • 事業が目的どおり実施されているか

といった点が確認されます。


● 特別監査・臨時監査

特別監査・臨時監査は、通常とは異なる事態が起きたときに行われる監査です。

たとえば、

  • 不正や不祥事が発覚した場合
  • 経営トラブルが表面化した場合
  • 合併・事業再編などの重要な局面

こうした場面で、事実関係の確認や原因究明を目的として実施されます。


ここまで見てきたように、監査にはそれぞれ異なる役割と立場があります。

文章だけでは違いがわかりにくいため、ここで一度、代表的な監査の種類を表で整理してみましょう。


● 主な監査の違い(比較表)

監査の種類誰が行うか主な対象目的義務か任意か
会計監査公認会計士・監査法人財務諸表・会計処理数字の正確性・信頼性の確保法人の種類・規模により義務
内部監査法人内部の監査部門業務・内部ルール不正防止・業務改善任意
監査役監査(監事監査)監査役・監事経営陣の職務執行経営の監視・牽制法人の種類により義務
行政監査・外部監査国・自治体・第三者公的資金・委託事業適正な資金使用の確認ケースによる
特別・臨時監査外部専門家など問題が生じた事項事実確認・原因究明ケースによる

この表を見ると、同じ「監査」でも視点がまったく違うことがわかります。


監査は「多ければ多いほど良い」というものではありません。

法人の種類・規模・社会的影響に応じて、求められる監査の内容も変わってきます。

ここでは、代表的な法人ごとに整理してみます。


● 株式会社の場合

  • 会計監査
    → 上場企業や一定規模以上の株式会社では義務
  • 監査役監査
    → 監査役設置会社では必須
  • 内部監査
    → 法的義務はないが、規模が大きいほど重要

株式会社では、株主や投資家の存在を前提とした透明性の高い監査体制が求められます。


● 公益法人・学校法人・社会福祉法人の場合

  • 会計監査
    → 法令で義務付けられているケースが多い
  • 監事監査
    → 原則として設置が必要
  • 行政監査
    → 補助金・公的資金に関連して実施されることがある

これらの法人は、利益追求よりも公益性が重視されるため、特に厳格な監査が求められます。


● 小規模法人・任意団体の場合

  • 会計監査
    → 原則として義務なし
  • 内部監査
    → 簡易的な形で行うことが多い
  • 外部チェック
    → 税理士や専門家による確認が実質的な監査になることも

規模が小さくても、最低限のチェック体制を持つことが、トラブル防止につながります。


監査は、不正や不祥事を疑うためのものではなく、組織を健全に保ち、信頼を守るための仕組みです。

  • 会計をチェックする監査
  • 業務を点検する監査
  • 経営を監視する監査

それぞれが役割分担することで、法人のガバナンスは成り立っています。

監査の種類を理解することは、法人の仕組みや運営の裏側を知る第一歩です。

このあと、会計監査・内部監査・監査役監査を個別に深掘りする記事を読むことで、より立体的に理解できるようになるでしょう。

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