「イオン」「イオンタウン」「イオンスタイル」。
名前は似ているのに、実はそれぞれ役割も仕組みも違うことをご存じでしょうか?
街でよく見かける“イオン○○店”と“イオンスタイル○○”の違いは何なのか、
なぜ名称の付け方が変わるのか、さらにイオンタウンはイオンの一部なのか──。
この記事では、イオングループの中でそれぞれがどんな役割を持ち、どのように運営されているのかを、やさしくわかりやすく解説します。
「結局どれがどう違うの?」というモヤモヤを、今日ここでスッキリさせましょう!
🏢 イオンとイオングループの基本構造
イオングループは、小売業を中心に多くの会社が集まった巨大な企業グループです。
普段「イオン」と聞くとスーパーやショッピングセンターを思い浮かべますが、
正式には イオン株式会社という持株会社(ホールディングス) がグループ全体を統括しています。
💡 イオン株式会社とは?
イオン株式会社は、イオングループの“司令塔”のような存在で、傘下の小売企業・金融企業・ディベロッパー企業などをまとめる立場にあります。
主な役割は次のとおりです。
- グループ各社の経営・戦略を統括する
- 国内外のイオングループ企業を管理
- 大型ショッピングモール「イオンモール」などの事業会社を傘下に持つ
つまり、店名としての「イオン」とは別で、会社としての「イオン株式会社」がグループ全体を動かしている というイメージです。
🏪 イオングループの主な事業会社
イオングループには数百社が属していますが、その中でも特に生活に身近なのが次の企業です。
- イオンリテール株式会社:イオン・イオンスタイルなどの総合スーパーを運営
- イオンモール株式会社:大型ショッピングモール(イオンモール)の開発・運営
- イオンタウン株式会社:近隣型ショッピングセンター(イオンタウン)を開発・運営
- マックスバリュ各社:食品スーパー事業
- ウエルシア薬局株式会社:ドラッグストア事業
- ミニストップ株式会社:コンビニ事業
このように、私たちが普段買い物をする場所も、実は運営している会社によって種類が分かれているのです。
🛒 イオン○○店とは?(イオンリテールの従来型GMS)
「イオン練馬店」「イオン大日店」など、店名の最後に“店”がつくタイプのイオンがあります。
これらは イオンリテール株式会社が運営する従来型の総合スーパー です。
ここで出てくる GMS(ジーエムエス) とは General Merchandise Store の略で、食品・衣料品・日用品など、暮らしに必要な商品が一か所で揃う“総合スーパー” を指します。
イオン○○店はまさにこの形態で、地域の生活を幅広く支えてきたイオンの基本スタイルといえます。
🏪 イオン○○店の特徴
特徴としては次のような点が挙げられます。
- 食品・衣料・住居関連の3本柱を中心とした総合スーパー(GMS)
- 地域の幅広い年代を対象とした売り場づくり
- 長年続く伝統的な名称スタイルとして「○○店」と付ける
- 日常の買い物の拠点として地域に深く根付いている
🧩 どの会社が運営しているの?
イオン○○店はすべて イオンリテール株式会社 が運営しています。
イオンリテールはイオングループ内で総合スーパー事業を担当する企業で、後ほど紹介する イオンスタイルもイオンリテールが運営するブランド のひとつです。
🌿 イオンスタイルとは?(新コンセプトのGMS)
「イオンスタイル○○」という名称の店舗は、
イオンリテール株式会社が展開する 新しいコンセプトの総合スーパー(GMS) です。
従来型の「イオン○○店」がオーソドックスな総合スーパーであるのに対し、
イオンスタイルは “暮らしの質を高める” ことを意識した提案型の店舗ブランド として開発されました。
売り場のデザイン性や商品ラインナップを強化し、日常の買い物をより快適で楽しい時間にするための工夫が盛り込まれています。
✨ イオンスタイルの主な特徴
イオンスタイルは、従来型イオンとの差別化を意識したブランドで、次のような特徴があります。
- ライフスタイル提案型の売り場構成
- ベビー・キッズ・女性向け商品の強化
- 店舗デザインが明るくスタイリッシュ
- 惣菜・生鮮食品など食の充実度が高い
- カフェ併設や専門コーナーなど、店舗ごとの特色が出やすい
“何でも揃う総合スーパー” という GMS の枠組みはそのままに、より現代のニーズに寄り添った進化版のイオン といえます。
🏷 名称に“店”を付けない理由
「イオン練馬店」のように“店”が付く従来型店舗とは異なり、
イオンスタイルでは「イオンスタイル○○」と ブランド名+地名 の形式が採用されています。
これは次のような意図によるものです。
- 従来型イオンとの差別化を明確にするため
- 「イオンスタイル」という新ブランドを強く印象づけるため
- “お店”よりも“空間・スタイル”としての価値を表現するため
- ショッピングセンター内でも認識されやすさを高めるため
名前の付け方にも、しっかりとしたブランディング戦略が込められているわけです。
🏪 誰が運営しているの? イオンスタイル専門の会社があるの?
結論はとてもシンプルです。
▶ イオンスタイルもイオン○○店も、どちらもイオンリテール株式会社が運営しています。
イオンスタイル専用の運営会社があるわけではなく、イオンリテールが持つ複数の店舗ブランドのうちのひとつが「イオンスタイル」です。
つまり、
- イオン(従来型GMS)
- イオンスタイル(新コンセプトGMS)
両方とも同じ会社が運営し、役割やブランドイメージによって使い分けています。
🏬 イオンタウンとは?(別会社が運営する商業施設)
「イオンタウン◯◯」という名称の施設は、
私たちが普段利用するイオンやイオンスタイルとは仕組みが異なり、
“イオンタウン株式会社”という別会社が運営するショッピングセンター(商業施設) です。
イオンタウンはイオンリテールのような「スーパーの会社」ではなく、
ショッピングセンターを開発・運営する ディベロッパー事業(不動産開発) を担っています。
🏙 イオンタウンの主な特徴
イオンタウンは、大型の「イオンモール」とは違い、
日常生活に密着した 近隣型ショッピングセンター(NSC) に分類されます。
主な特徴は次のとおりです。
- 郊外や住宅地に多い、生活圏に密着した商業施設
- 核店舗として食品スーパー(イオンスタイルやマックスバリュなど)が入る
- 周囲にドラッグストア、100円ショップ、クリニックなどの専門店が集まる
- モールほど大規模ではなく、普段使いしやすい利便性が特徴
“毎日の買い物が便利になるように作られた商業施設” と考えると分かりやすいです。
🏢 運営している会社は?
イオンタウンを運営するのは、イオングループのディベロッパー会社である イオンタウン株式会社 です。
そして、施設内に入るスーパー(イオン、イオンスタイル、マックスバリュなど)は用途に応じて各小売会社(イオンリテールやマックスバリュ各社)が出店します。
つまり…
▶ イオンタウン(商業施設)
と
▶ イオンスタイル(総合スーパーの店舗)
は、同じ「イオン」という名前でも 役割も、運営会社もまったく違う のです。
🧩 イオンモールとの違いは?(よくある疑問)
| イオンタウン | イオンモール | |
|---|---|---|
| 運営会社 | イオンタウン株式会社 | イオンモール株式会社 |
| 施設規模 | 小〜中規模 | 大規模(広域型) |
| 目的 | 生活圏密着・日常利用 | 休日の買い物・レジャー |
| 備考 | スーパーが核店舗のことが多い | 専門店が中心で、映画館など大型テナントも |
イオンタウンとイオンモールは、規模も役割もコンセプトも違う別の施設です。
📊 イオン・イオンスタイル・イオンタウンの違いを表で比較
3つの名称は似ていますが、
「会社の違い」「施設か店舗か」「役割」「名前の付け方」などに明確な差があります。
📝 比較表
| イオン○○店 | イオンスタイル○○ | イオンタウン○○ | |
|---|---|---|---|
| 分類 | 店舗(総合スーパー/GMS) | 店舗(新コンセプトの総合スーパー/GMS) | 商業施設(ショッピングセンター) |
| 運営会社 | イオンリテール株式会社 | イオンリテール株式会社 | イオンタウン株式会社 |
| 役割 | 従来型の「なんでも揃うスーパー」 | 暮らし提案型の進化版スーパー | 地域密着型の商業施設づくり |
| 規模の目安 | 中〜大規模 | 中〜大規模 | 小〜中規模(NSC) |
| 主な特徴 | 伝統的な店名スタイル(○○店) | ブランド名を前面に(○○スタイル) | 複数のテナントが入る施設 |
| 店名の付け方 | 「イオン○○店」 | 「イオンスタイル○○」 | 「イオンタウン○○」 |
| イオンスタイルとの関係 | 別ブランド | ― | 施設内に入居することがある |
| 備考 | 地域の生活を支える定番スーパー | 現代的な売り場・サービスを強化 | 街のショッピング拠点を作る企業 |
🔍 一言まとめ
- イオン○○店 … 従来型の総合スーパー
- イオンスタイル○○ … 新しい提案型の総合スーパー
- イオンタウン○○ … 別会社が運営する「商業施設」そのもの
3つとも「イオン」の名が付きますが、店か施設か、そして どの会社が運営しているか が大きく異なります。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. イオンスタイルはイオン○○店の上位版なの?
A. 上位版というより「方向性が違う新ブランド」です。
売り場デザインや商品ラインナップが強化されており、“より暮らしに寄り添う提案型のイオン” を目指して作られた店舗ブランドです。
価格帯が高くなるというわけではありません。
Q2. イオンタウンの中にイオンスタイルが入っているのはなぜ?
A. イオンタウンは「商業施設」だからです。
イオンタウン株式会社が施設を運営し、その中にテナントとしてイオンスタイルやマックスバリュが入る仕組みです。
ショッピングセンターに専門店が入るのと同じイメージで、「イオンタウン=スーパーの会社」ではありません。
Q3. イオンとイオンスタイルは運営会社が違うの?
A. 違いません。どちらもイオンリテール株式会社が運営しています。
イオンリテールが複数の店舗ブランドを展開しており、その中の一つが「イオンスタイル」です。
Q4. イオンタウンとイオンモールは何が違うの?
A. 規模と目的が大きく異なります。
- イオンタウン:小〜中規模、日常利用の近隣型ショッピングセンター
- イオンモール:大規模、休日の買い物やレジャーも楽しめる広域型施設
どちらも別会社(イオンタウン株式会社/イオンモール株式会社)が運営しています。
Q5. イオンスタイルは今後イオンに置き換わるの?
A. すべてが置き換わるわけではありません。
既存のイオン○○店をリニューアルしてイオンスタイル化する例はありますが、地域特性や店舗規模により、従来型イオンのまま運営するケースも多いです。
イオンとイオンスタイルは使い分けられている と考えるのが自然です。
📌 まとめ
イオン○○店・イオンスタイル・イオンタウンは、
同じ「イオン」の名がついていても役割も仕組みも異なります。
従来型の総合スーパーか、新しい提案型の店舗か、
あるいは商業施設そのものなのかを知っておくと、目的に合わせてより便利に使い分けられます。
普段の買い物はイオンタウン、品ぞろえを楽しみたい日はイオンスタイルなど、
特徴に合わせて選ぶと毎日の生活がもっと快適になりますよ。


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