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除籍とは?退学との違いをわかりやすく解説|ニュースで聞く“除籍処分”の意味とは

除籍と退学をイメージしたイラスト 雑記

ニュースなどで耳にする「除籍」という言葉。

なんとなく“退学のことかな?”と思っている人も少なくありませんが、実はこの2つはまったく別物。

特に「除籍」は、在籍名簿から完全に削除されるという、退学よりも重い扱いの処分を指します。

この記事では、除籍の意味や退学との違い、ニュースで使われる具体的なケースまでわかりやすく解説します。

知っておくと、教育ニュースの理解がぐっと深まりますよ。


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「除籍(じょせき)」とは、学校がその学生を学籍簿から完全に削除することを指します。

つまり、「この学生はもう本校に在籍していない」と正式に扱われる状態で、名簿上からも記録が消える、非常に重い措置です。

多くの人が「退学=除籍」と思いがちですが、実際には、退学よりもさらに厳しい意味を持つ言葉です。

学校側が「学生としての資格がない」と判断したときに行われるため、本人の意思とは関係なく処理される点が特徴です。

また、大学や専門学校などで用いられることが多く、小中高ではほとんど使われない専門的な学籍用語でもあります。


「除籍」と「退学」は似た印象がありますが、学校での扱いは大きく異なります。

まず押さえておきたいのは、退学は「学校を辞めること」であり、除籍は「学生としての資格を失うこと」だという点です。


● 退学とは

退学は、本人の申し出による自主的な退学のほか、懲戒処分として行われるケースもありますが、基本的には「在籍は認めるが、学業を継続しない」選択です。
学籍簿には記録が残り、成績証明書や在籍記録も通常は発行可能です。


● 除籍とは

一方の除籍は、学校側が一方的に学籍を抹消する処分
本人の希望とは関係なく、学籍簿から名前そのものが削除されるため、「その学校に在籍していた」記録が証明できなくなる場合があります。退学よりも重い扱いで、復学も原則できません。


● 両者の違い(比較表)

項目退学除籍
本人の意思影響する(自願退学あり)基本的に関係ない
学籍の扱い記録は残る記録が消えることが多い
復学の可否可能な場合あり原則不可
社会的なイメージ一般的・中立処分色が強い、厳しい
ニュースでの使われ方トラブル時もあるが幅広い不正・未納・重大事案など重いケースが中心

ニュースで「○○大学が学生を除籍処分に」と聞くと、重大な問題が起きた印象を受けますよね。

実際、除籍が適用されるのは 学籍を維持できない深刻な理由 がある場合に限られます。代表的なケースを見てみましょう。


● 学費の長期未納

大学では、学費を一定期間支払わないと在籍を続ける意思がないと判断されることがあります。
催告(再三の連絡)にも応じない場合、最終的に除籍処分となることがあります。


● 長期間の無断欠席・放置

休学手続きもせず、出席や連絡が途絶えた状態が続くと、学則に基づき「在籍の意思なし」とみなされ、除籍されることがあります。


● 重大な不正行為

試験での大規模な不正、レポートの大量盗用、研究不正など、学内秩序を大きく乱す行為があれば、懲戒として除籍が適用される場合があります。


● 刑事事件・法令違反

社会的に大きな問題となる犯罪行為を行い、大学の信用や教育環境を著しく損なったと判断されると、懲戒除籍につながることがあります。


除籍は「学籍を完全に削除する」という非常に重い措置です。

そのため、処分後の扱いも退学とは大きく異なります。除籍されると、学生本人には以下のような影響があります。


● 学籍が抹消される

もっとも大きな違いがこれです。
学籍簿から名前が消えるため、「在籍者」としての記録が残らない場合があるのが特徴です。
大学や学校によって扱いは異なりますが、退学よりもはるかに重い処分です。


● 在学証明書・成績証明書が発行できないことがある

除籍の扱いによっては「在籍していた証明」が発行されない、あるいは限定的にしか出ない場合があります。
退学なら問題なく出る証明書が、除籍だと発行対象外になるケースもあります。


● 復学が原則できない

退学は事情が整えば復学を認める学校もありますが、除籍の場合は復学不可がほとんど。
学籍そのものが消えているため、元に戻ることができません。


● 社会的な心理的影響

ニュースで取り上げられることもあるため、本人や家族にとって精神的な負担が大きい場合があります。
制度としての意味だけでなく、実際には精神的インパクトも大きい処分です。


「除籍」という言葉は、すべての学校で使われるわけではありません。

特に多いのは 大学・短大・専門学校 といった高等教育機関です。これには明確な理由があります。


● 大学・専門学校で多く使われる理由

大学では学則に基づき、学生の在籍管理が細かく定められています。
学費未納、無断欠席、履修放棄、不正行為などに対して、学籍の維持が困難と判断されるケースが制度的に整理されているため、「除籍」が運用されやすい環境にあります。

また、大学は自己管理が求められるため、学生が連絡を絶ってしまうこともあり、必要に応じて除籍が適用されます。


● 小学校・中学校・高校ではほぼ使われない

義務教育や高校では、学生を強制的に管理する性質が強く、学籍を削除するような処分はほとんど存在しません。
懲戒処分はありますが「退学」「停学」などの表現が一般的で、除籍という制度自体を設けていない学校が多いのが実情です。


● 宗教団体や組織の「除籍」とは別

ニュースでは、寺院・神社・宗教法人などでの「除籍」という表現も聞くことがありますが、これは「名簿から外す」という組織独自の意味で、学籍とは別の概念です。


除籍は「知らないうちに突然なるもの」ではありません。

多くの場合、学校側から複数回の通知や相談機会が設けられています。

つまり、早めに対処すれば防げるケースがほとんどです。ここでは、除籍を避けるために知っておきたいポイントをまとめます。


● 学費の支払いが難しいときは早めに相談を

学費未納は除籍理由の代表例ですが、「支払えない事情」を学校へ正直に伝えることで分納・延納の相談に応じてくれる場合があります。
連絡をしないまま放置するのが最も危険です。


● 長期間休むときは必ず休学手続きを

大学には「休学制度」があり、体調不良・経済的事情・留学・家庭の事情などで通学が難しいときに利用できます。
手続きをしないまま欠席が続くと、「在籍意思なし」と判断され除籍につながることも。


● メール・書類など学校からの通知は必ず確認

除籍に至るまでには、複数回の催告(警告)が届く場合がほとんど。
住所変更の届け出を忘れて通知が届かないケースもあるため、連絡先の更新は必ず行うことが重要です。


● 学業に関する悩みも相談を

履修登録の失敗、単位不足、将来への不安など、表面化しにくい悩みが除籍につながることもあります。
学生相談室や教務課に相談すれば、解決策を一緒に探してくれることがあります。


Q1:除籍と退学は履歴書にどう書くの?

A:履歴書には通常「在籍期間」だけを書くため、除籍と明記する必要はありません。

ただし、面接などで詳しく聞かれた場合は、経緯を簡潔かつ誠実に説明するのが望ましいとされています。


Q2:除籍されたら成績証明書はもらえますか?

A:学校によって異なります。

除籍後も単位取得証明を出してくれる学校もありますが、学籍削除の扱いが厳しい学校では、証明が一切発行されない場合もあります。
詳細は大学の教務課に確認が必要です。


Q3:除籍になったあと復学できますか?

A:原則できません。

退学なら復学制度がある場合もありますが、除籍は学籍そのものが消えているため、元に戻る制度がないのが一般的です。


Q4:ニュースで「会社員が除籍された」と見るけど、学校と意味は同じ?

A:意味は似ていますが、使われ方は組織ごとに異なります。

寺院・宗教法人・組合・団体などでは「名簿から除く」という意味で使われ、学校の「学籍削除」とは性質が異なります。


Q5:長期間大学に行っていないが、除籍される前に何かできる?

A:できます。まずは大学に連絡を。

休学手続き・復学相談・学費の分納など、早めに相談すれば除籍を避けられることがほとんどです。
放置が一番危険です。


「除籍」は退学とは異なり、学籍そのものが削除される非常に重い処分です。

ニュースで取り上げられることも多く、その背景には学費未納や無断欠席、重大な不正など、在籍を維持できない理由があります。

ただし、除籍は突然下されるものではなく、多くの場合は事前に通知や相談の機会があります。

疑問や不安があるときは、一人で抱え込まず学校に相談することが大切です。

正しい知識を持つことで、教育ニュースの理解も深まり、必要なときには適切に対応できるようになります。

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